Bonne journée, Cross Cultural, Photo

旅先の朝は

201610-111written only in Japanese

旅先で迎える朝は、大抵すこし面倒だがワクワクする儀式が待っている。昨夜、逃げ込むように潜り込んだホテルのベッドから抜け出し、カーテンを開け、まだ下着のまま朝の日差しを浴びて伸びをする。シワのついたシーツはそのまま放ってバスルームに向かい、顔を洗って鏡で目を覗き込む。多少疲れた目には異常がないことを確かめると、おもむろに身支度を始めて思いを巡らす。さて、今日はどんな食事で1日を始めようかと。
ペンキがはがれかけた窓枠を強く押し出し、わずかに湿気を含んだ外気を吸う。歪んだガラス越しに朝日にシルエットとなった鳩が羽音をたて、煙突のひとつから微かに煙がたなびく。余韻を残すように短いクラクションの音。再び静寂。そして、少し甘酸っぱいものが食べたいなと思う。協会の鐘。

知らない土地で朝食を探すのは面倒だ。コンビニでもあれば適当に何か買って胃に入れるかなどと思うこともあるが、日本から一歩出ればそうもいかない。だからといって、知らない土地では探しようもない。朝はまだ街が始動していないのだ。そのまだ人々の騒々しい声も通奏低音のように続くエンジン音も無い朝、その土地の日常の隅っこにある土地のパン屋さんを訪ねるのは、フランスでの案外代え難い楽しみである。街であれば少なくとも数ブロックにひとつはパン屋さんが開いている。季節がよければリンゴなどの果実類を売っていることもある。朝、モーニングのあるカフェで過ごすのも良いが、8時前ではコーヒーとクロワッサンをカウンターでというのが精一杯。であれば、焼きたてのレザンでも買ってどこかで食べるのも悪く無い。

久しく遠い旅をしていない。

201610-112
横浜港、大桟橋。プリンセスクルーズの大型船が出港を待つ。
Bonne journée, Cross Cultural

いい加減 Irresponsible?

201609-211

Written only in Japanese as “cross-cultural”
どうしてこうもいい加減なのか。隣り合ったエレベーターくらいボタンの配列を揃えてほしい。そう思うのは、日本人だけなのか?あるいは、自分だけなのか。
世界中をこの目で見たわけでもないし、すべてがいい加減に出来ているというわけでもない。自分が見ている世界は、どれほど注意深く見つめようとしてもどこかで客観性を欠いている筈であって、そのある種自分自身でかけた呪縛からは逃れようもない。だから、世界が無神経に準備された乱雑なものから出来ていて、人はその整えようもない世界に苛立っていると考えるのは、いささか傲慢な考え方である。そうであっても、隣り合ったエレベーターのボタンの配列が異なっていることは、どうにも腑に落ちない。
「そのくらい大目に見ろよ」と思うむきもあるだろう。「いや、エレベーター2台に同時に乗らなきゃ問題ないだろう」そう考えるかもしれない。「それともお前はふたつに分裂する癖でもあるのか」と。
実は、この状況は、ホテル住まいなどで短期間いつもと違う場所に生活する時だけ問題となる。そのホテルに滞在して3日が過ぎたあたりからが問題なのだ。

ある朝、いつもようにウォーキングに出て、体を目覚めさせてホテルに戻ってくる。ロビーには並んでふたつの銀色のエレベーター。あなたは「上」のボタンを押してほんの少し周りを伺っている。奥の方からは食器がカチャカチャとぶつかる音とコーヒーの香りが伝わってくる。少しばかり空腹感。すると、不意に右側のエレベーターが空いて、中から誰かが出て来た。「あぁ、おはよう。」そう言いながら、危うくぶつかりそうになったひととすれ違いつつ左上の隅のボタンを押した。エレベーターが動き出す。「お腹空いたな。」と独り言。程なく開いたドアを出て部屋に急ぐ。そして気づくのだ。エレベーターホールの角にある花瓶も花も、かけられた複製の絵も、昨日とどこか違うと。エレベーターを振り返ると、そこには果たしてひとつ上のフロアーの番号。エレベーターの同じ場所のボタンを押したつもりが、違ったのだ。

日本のエレベーターの多くは、縦一列に番号が並んでいる。二列の配列でも縦書きの日本語のように列内で順番に並んでいる。だが、ヨーロッパでは二列で右左と順番に並んでいるものも多い。この配列、実は悪くない。左側の上から2番目のように、なんとなくパターンで位置が頭に入るのである。だからこそ、左右のエレベーターで配列は同じにして欲しいのだ。閉じるボタンはいらない。それよりまずは配列を直して欲しい。でないと不意に違う世界を味わうことになる。

さて、違うフロアに降りてしまったからは、自分の部屋があるフロアに行かなければならない。非常階段は、平常時は従業員用だ。再びエレベーターを待つ。そして開いたドアの向こうに笑顔を発見したりする。先ほどすれ違ったビジネスマンが降りてきた。
「部屋に忘れものをしたよ。君もか?またあとで。」
やれやれ、今朝はホテルのダイニングで朝食にするか。

201609-214

Photo, photo challenge

Weekly Photo Challenge: Edge

201609-201

It is moored at the edge of the Yamashita park of Yokohama indefinitely. Her name is Hikawa-maru and it was an ocean liner of the north pacific lane from Yokohama to Seattle. In WW-2, she was used as a hospital ship and hit a floating mine but she went back to Japan. Her last voyage was done in 1960. I could say she has been always on the edge of the history.

I hope you could find some her beautiful edge of shape in pictures.

201609-203

In response to the weekly photo challenge, Edge by The Daily Post.

201609-202

Bonne journée, Photo

Cafe September

201609-111

(written only in Japanese)

バケーションシーズンも終わり、明るい笑い声が溢れていたまばゆいリゾートのカフェも、ようやく淡くゆったりとした時間が流れはじめた頃だろう。人の少なくなった海辺の街は、まだまだ静けさを取り戻すことはないが、それでもパステルブルーの空にはどこか柔らかさが漂い始める。もしかしたら、9月のカレンダーがそう告げているだけなのかもしれない。それでも夏は去りつつある。

逆に大学の街はエネルギー溢れる喧騒に、再び夏がやってたきたような華やかさであるに違いない。多くの国では9月は新しい年度の始まり。新入生たちは、ママの元を離れる不安と独り立ちし始める誇りとで、じっとしてはいられない。街のカフェはありとあらゆることを同時に語り合うもうひとつの教室となり、スマートフォン上ではない自然な会話が久しぶりに広がっていく。

夏よりもぐっと早くなった夕暮れのカフェは、落ち着いた喧騒が好みだろうが、華やかなおしゃべりが好みだろうが、いつもそこにあって遠くを見つめている。おそらくは、遠く何かを思うのは、コーヒーでも飲んでひと息つこうとしているあなた自身の影なのだが。

 

Bonne journée, Photo, photo challenge

Weekly Photo Challenge: Rare

201608-301
Saru-hashi bridge at Yamanashi over the rapid

Saru-hashi (猿橋) bridge is lesser‐known but drawn in a Nishikie (錦絵) by Hiroshige (広重). The wooden bridge was built over the rapid where it was difficult to use pillars. Typically, in that case, suspension bridges are common solution but it was built with another classical way named “Hane-bashi”, literally drawbridge.

201608-303

According to the Wikipedia, it is said that there’s no wooden Hane-bashi left in Japan and Saru-hashi is not the exception, that is, Today’s Saru-hashi was rebuilt with steel frames for safety.

201608-305

Interestingly, there are four different bridges side by side there:

  • Saru-hashi, a pedestrian bridge
  • New Saru-hashi (route 20)
  • Water bridge for a power station
    and
  • another one

In response to the weekly photo challengeRare by The Daily Post.

201608-302