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(Floral) Friday Fragments #292


 クズの花が咲く頃、切っても切っても伸び続けてきたそのクズも、成長が少しスローダウンする。始末に終えないその草は、ようやく終わりを悟るらしい。あと二月もすれば葉の色も茶色にくすみ、カサカサと音を立てて北風に身を任せる。
 これでようやく終わりかと思えば、土の中に残った根が、もう来年のことを考えている。クズだって、生きている。

 なんとまあ、雨の多いことか。クズは元々ほとんど水みたいな蔓を延ばすが、今年は例年にまして水分を含んでいるようだ。やれやれ。いつ関東の雨は終わるのだろう。ひょっとして今週まで?そんなわけはなさそうだ。

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(Floral) Friday Fragments #291


 今年はノウゼンカズラが咲くのをほとんど見ていない。雨が多くて近所に出かける機会が少ないこともあるのだろうが、あまり元気に咲いている感じでもない。街角に見つけても雨にぬれて傷んでいることが多いし、暗いから鮮やかに見えていないということもあるのだろう。
 この写真は、たまたまここにだけ日差しがあって、浮かび上がるようにオレンジが輝いたから撮ったものだ。ライティングなどはしていない。でも、ライティングしたくなるような天候のことが多い。記憶が間違っていなければ、8月の上旬からほぼ毎日曇りか雨で、一日中日差しがあったのは、2〜3日程度だと思う。もうひと月以上が経つ。

 自宅の屋根には集熱用の装置が付いていて、ヒートポンプで熱を移動させ、お湯を作れるようになっているのだが、そこそこ晴れるからこそ役立つ仕組みである。先日、ガスの使用量を見ていたら、今年は明らかに昨年までと違う。つまり、8月は日差しも少なかったので、お湯が作れずにガスを使ったということが明確にわかる。毎月のガスの使用量は、グラフにすると綺麗な曲線を描くのだが、8月だけその曲線が膨らんでいるのだ。

 3ヶ月予報では、平年並みの降水量で少し気温が高いと言ってなかったかなあ。せめて空気が乾燥する日が時々来てくれないかなあ。などと、つまらないことを考える金曜日である。

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(Floral) Friday Fragments #290


 古い写真の中から必要な写真を見つけようとあれこれ見ていたら、この写真が何年も前の今頃撮ったものだと気がついた。あれ?9月だったかなあ。なんて、しばし考えた。
 場所が違えば、咲く時期も違うし、場所が違えば、そもそも種類が違ったりもする。この写真は西フランスの公園で撮ったものなので、気温の差なのかなと思ったが、だんだん本当の開花時期がわからなくなってきた。
 まあ、いつの開花だろうが、この柔らかで濃厚な緑と、柔らかで儚いピンクのコントラストが美しいことには違いない。

(ちょっとだけ、美味しそうと思ったことも告白しておきます。)

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(Floral) Friday Fragments #289


 万葉集にも読まれたツユクサは、よく見るとなかなか愛らしい形をしている(写真のツユクサは花弁が痛んでいて申し訳ない)。小動物の耳のような2枚の深い青の花弁に小さくて黄色いおしべ。つい眺めてしまう。

 でも、花弁が2枚なんて面白いなあと思っていたら、おしべの裏に白いもう1枚の花弁が隠れていた。調べてみたら、黄色のおしべは実は飾りで、下に長く伸びているのが本物のおしべなのだそうだ。黄色いおしべで虫を呼び寄せ、長い方のおしべの花粉をつけてもらうらしい。なかなかの戦略家ではないか。

 雑草として伸びてくるツユクサは、長く伸びた茎が定規で線を引いたように曲がり、その部分が地面に付くとそこから根が出てきて増える。草取りをしようとしたら、案外あちこちから根っこが出ていてなかなか面倒だ。花の方も、雄花と両性花があって、加えて地下にも閉鎖花があるのだとか。なんとしたたか。

 まあ、そんなことを考えているより、のんびりと美しい青を見ていた方が良い。もっともあまりじっと見ていると、その間に蚊に刺されそうではあるのだが。

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(Floral) Friday Fragments #288


 夏ももう終わりかなと思ったら、案外しぶとい。
 ここ数年の夏がバカみたいに暑かったのだから、ちょっと雨が多いくらいで夏が終わりと思ってはいけない。雨ばかりの夏だって、今まで何度もあったではないか。

 そんな風に自分に言い聞かせないと、流石にバテてきた。もう9月も目の前という段階になって、まだ半袖シャツを買い足し、涼しくなんてなるわけないと、高原の避暑地への小旅行を計画する。
 もう、一体何なのだ。
 子供の頃、風が吹き抜ける北側の畳の部屋で、壊れたギターを弾いたりして遊んだ後は、いつも決まって昼寝をした。あれはきっとお盆の集まり。多少汗をかくことはあったが、エアコンなんてなくても何とかなった時代。裏山に遊びに入れば、ミヤマクワガタがいて、うさぎが跳ねた。もちろん、都会などではなく、北関東の隅っこにある山間の街の話なのだが、決して空想などではない。
 ノスタルジーと言ってしまえばその通り。でも、ちょっとだけ、昔が羨ましい。