Bonne journée

ブルターニュ#6

「一度は見る価値がありますよ。ストーンヘンジばかりが巨石文明の痕跡ではありません。ソールズベリーだって同じケルト文化圏なのです。そもそもストーンヘンジの石柱もカルナックの石柱もメンヒルと言いますが、ブルトン語ですからね。」
いや、もう少し分かり易く言ってませんか、そう言いかけた時、彼は顔を上げてこう続けた。
「ああ、失礼。カルナックはなかなか興味深い所です。まずは、案内所の上から眺めてみてください。全体像は空から見るしかありません。展望台になっている少し高い建物がありますから、せめてそこから眺めてみてください。ほんとうに興味がありますか?だったらハイキングのつもりでぐるっと回る方が良いでしょう。でも、観光案内に書いてあったから見てみたいと言うだけの興味なら、展望台で十分です。近くの綺麗な海にでも行ったほうが良い。」

(ブルターニュ案内の6回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#5

「ミディ運河はたしかに良く知られています。誰が大西洋と地中海を運河でつないでいるなど想像できるでしょう。夏ともなれば、たくさんの船が行き交いますよ。でも、残念ながら、イル川にはミディ運河のような観光船が無いのです。夏のバカンスにでもミディ運河に行かれたほうが良いですね。」 
運河沿いを少し歩きたいだけだと伝えては見たが、船で楽しむ冷えたシャンパンの方がまともだと信じているに違いなかった。 
「えぇ、イル川沿いのハイキングも悪くありません。レンタルの自転車もありますよ。50km以上は楽しめます。どうしてもイル川がご希望なら、宿泊だけのボートを手配しましょう。シャンパンはついていませんが。でも、その前にひとつだけ確認させてください。ストラスブールではなく、ほんとうにブルターニュのイル川の話をされているのでしょうか。」

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Bonne journée

ブルターニュ#4

「夏のバカンスには良いところです。大西洋岸よりは案外静かですよ。ただ、おそらくはモルレーの街ではなく、少し北の街を話されているのでしょう。確かにモルレーからも船はありますが、おっしゃりたいのはもしかするとロスコフでしょうか。」
いや、海ではなく高架橋が見たいのだと言うと、顎髭をさすりながら彼はこう続けた。
「血塗られた歴史です。確かに美しい鉄道橋ですが、それ自体はさして古くはない。いや、新しい方が良いのです。教会を見下ろすような鉄道橋です。むしろその教会を訪ねられたらどうでしょう。危なっかしい鉄道橋よりもきっと落ち着きます。」

(ブルターニュ案内の4回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#3

「あぁ、ブロセリアンドの森ですね。今はパンポンの森と呼ばれています。とても美しい森です。興味をお持ちですか。遠方からの方には珍しいですね。これまでブロセリアンドの森のことを聞かれたことはほとんどありませんでした。まぁ、わざわざ遠くから訪ねるような場所ではないと思いますよ。もっと他にたくさん良い場所があります。そうだ、教会巡りなどいかがですか。この近くにもなかなか美しい小さな教会がたくさんあります。」
彼はそう言ってコーヒーを一口飲むと、遠くに見える教会の尖塔を目で示した。
「そうですか、どうしてもブロセリアンドの森が見たいのですね。であれば必ず陽の高いうちにお訪ねなさい。たくさんの人がハイキングコースを歩いています。道に迷うことはないでしょう。決して陽が落ちる頃まで森で過ごさないように。夜は冷えますから。」

(ブルターニュ案内の3回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

I may still not be there. Thank you for your understanding.

Bonne journée

ブルターニュ#2

「何もありませんよ。まったく何も。ほんとうの西の果てです。波がただ音を立てているだけでね、行きたがる人には何か理由があるのでしょうが、とんとわかりません。」
そう言いながら歪んだ青いキャップをボールペンに戻すと、パタと音を立ててそれを置いた。
「まぁ、言い過ぎたかも知れません。立派な灯台ならあります。あとは強い風と小さな観光案内所がひとつ。もしそれでも行かれるのなら風避けにジャケットか何かをお持ちなさい。大西洋の風は案外強いですから。」

(ようやくブルターニュ案内の2回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

I will be a bit busy next two weeks. I may not be there.
Thank you for your understanding.

Bonne journée, Photo

brief vacation

201808-211

I’ve reached a point of saturation
and missed to find my way out.
Now I’m away on brief vacation
and going to give exultant shout.

なんだか手詰まり感で
出口を見失い、
今や束の間の休憩に
歓喜の叫びをあげようとする。

Half off line for a while because it was the 1000th post.
千回目のポストに、ここしばらくは休暇をとって、少しばかりオフライン気味。

 

Bonne journée, Cross Cultural

熱帯夜

 

201808-110

20時間の移動ともなれば、身体も頭もまともな状態であるはずもない。ふくらはぎはじんわりと熱を持ったように怠く、本を開いても3ページを待たずに行を見失う。ようやく慣れたホテルのベッドを抜け出してからすでに24時間。機内でうとうとしていたからその数字に意味があるわけでもないが、少なくともそろそろ平らなベッドが欲しいとは思っていた。だから、ボーイングの馴染みの機体が小さな振動とともに東京湾のそれでも青い海に囲まれた滑走路の隅に降りた時には、これでようやくフレッシュな空気が吸えるとひと安心したのだった。
もちろん東京が暑いことはわかっていた。とは言え、連日のニュースで38度という異常な高温と休まる余裕もない熱帯夜は聞いてはいたものの、日中でも25度で朝晩は長袖の上着が必要な異国にあっては、そのニュースはどこか他人事でもあった。そして、機内持ち込みの荷物をまとめ少しでも広い空間へと出たい気持ちがすっかりそれを忘れさせていた。しかして、宇宙船のような湾曲したドアから一歩出た瞬間、あっと思わず声を上げることになったのだった。歩きながら振り返れば、誰もが例外なく同じ場所で呻き声を上げている。それはちょっとおかしな空間だった。
羽田空港のビルの中は、もちろん十分涼しい。少なくとも税関を抜けるあたりまでは、少しばかり汗をかく程度でなんら問題はない。フレッシュな空気を吸うことはままならないが、飛行機を出た瞬間の少し笑ってしまうような暑さを思えばなんでもないことだった。それが、バスに乗ろうと外に出た瞬間に、これはとんでもない事なのではないかと急に心配になってきた。
バス停の誘導係は、乗客を正規の場所から少しでも影となる場所へと誘導し、その傍で重いスーツケースを順番に並べ、次々と来る問い合わせに答えながら、制服の袖で汗を拭うのだった。乗客を屋根の下に誘導しているから本人は直射日光を浴び続けている。よく見れば、汗をかいているには違いないが、袖はあまり濡れていない。思わず水分を補給した方が良いと言おうと思ったが、話に割り込むまもなくバスがやってきてしまった。まもなく誘導係の彼は、笑顔で乗客を送り出し、再び汗をぬぐって次の乗客に対応するのだった。
なんでも温暖化と結びつけるものでもない。全体としてはそうなのかもしれないが、だからと言って、この異常な暑さの原因の全てが温暖化によるものではない。地球規模の流体力学を解くのは容易ではないが、結局は大きな大気や海流の流れで説明されなければならない。その流体の揺らぎの中で、平均としての温暖化がある。だからすぐに異常気象とか温暖化とかを局所的な気象で語るべきではない。少なくともそう学んだつもりである。

201808-111

そんなことを考えつつ、羽田の暑さにバス停の係員を心配しながら、ふとスロベニアの光景を思い出した。ヨーロッパでは当たり前の自転車専用道だが、彼の地にもそれはしっかりあった。専用の道を作るだけの幅が車道になければ歩道の一部を区切り、歩行者も自転車も違いに道を譲りあうマナーは、いったいどこから来るのか。誰もが自転車を重要な交通機関として理解しているようでもあった。そして言う。二酸化炭素出さないでしょ。オンラインで登録できるレンタルバイクも整備され、自転車がどこでも使える環境は、ちょっと羨ましい。しかも、短時間なら無料と言う。それだけではない。そのレンタルバイクの横にはEV用の充電ステーションが当たり前のようにある。まだまだEV車両は少ないが、あれならきっと普及するに違いない。便利なのだから。
ところで「熱帯夜」と言う表現にはずっと疑問がある。熱帯の夜ってホントにこんな暑さなのか?何しろ行ったことがない。

201808-112