Cross Cultural, Photo

Floral Friday #169


 モッコウバラは棘もない上に4月にあっという間に咲いてしまうので、バラという名がついていてもバラではないと勝手に決めつけていたら、中国原産の立派なバラだそうだ。蔓性の華やかで香り高いモッコウバラは、そう考えれば紛れもなく立派なバラなのだが、棘がなくて花が小ぶりだというだけで趣が違う。
 今年は全般にバラが動くのが早いようで、モッコウバラはもうほとんど先終わってしまっている。咲き終わったモッコウバラの茶色くなった花弁は、雨に当たるとますます見窄らしく、せめてピンクだったらよかったかななんて考えてみても、さして意味はない。バラというものは、枯れて茶色になった花弁も、切り戻すちょっと面倒な作業も、皆含めてバラなのだ。

 さて、そろそろ横浜らしいバラでも見に行きますか、なんて思い始めたが、去年は6月上旬にはほとんど茶色になってしまったので、美しい「薔薇」を見たかったら5月中旬が良さそうだろうか。港の見える丘公園の周辺にはよく手入れされたバラ園も多く、薔薇巡りをしたら中華街でランチも悪くない。

Bonne journée

Fragment: Imperfection


カーテンの隙間から引かれたオレンジ色の線
昨夜オフにしたグリーンの目覚まし時計
ブルーの混じった壁紙に映る微かな影
肩にかけ直すグレーのブランケット
窓の下に流れ続ける銀色の冷気
消えた常夜灯のグレーの文字
白く光る枕元のスマートフォン
緑色のカフェテーブルの広告メール
クローゼットのドアに挟まったジーンズ
公転面からの地軸と同じだけ傾いた枕
遠ざかる窓向こうのヒヨドリの声

 当面の執筆をやめている Imperfection という作品の一部を公開します。やめている大きな理由のひとつは内容に満足していないということなのですが、それは同時に、インスピレーションが錆び付いている感覚を持っていることでもあります。
 この詩片の最後の3行はどうしても気に入らないのですが、一度部分的に公開することで自分に対してなんらかの変化を期待しています。文章とはひとりでに進化するものなのです。

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #168


 4/22のMostly Monochrome Mondayの別ショット。どうというわけでもないのですが、このピンク色が華やかなので、何度かアップしています。

 GW中ということもあって同僚の多くが旅行中だったりしていて、仕事もあまり進みません。フランス人の古くからの知り合いに仕事のレターを送ったら、仕事も全て完了かなと。
 そのフランスも5/1のメーデーのあとは、5/8の戦勝記念日、5/9の昇天祭、5/10のみなし労働に関連する一斉休暇取得日とGWみたいなもので、暫く休業モードです。なんだかホッとするGWです。
 戦勝記念日とはもちろん第二次世界大戦のこと。日本語訳する時はヨーロッパ戦勝記念日とすることが多いようです。終戦は8月だと思っている日本人にはピンとこないところもありますが、ナチスドイツが降伏文書に署名した5/8がヨーロッパにとっての終戦日でもあり、完全に戦いが終わったのは5/11とされています。ノルマンジーの戦没者墓地は果てしなく続き、あちこちに戦火の跡が残るフランスにとっては重要な日でもあります。式典の場所にいれば日本人には少し居心地の悪い感覚にもなる戦勝記念日ですが、平和だからこそこんな話が書けるわけで、ありがたいなと実感します。
 ところで、日本の終戦記念日は、ヨーロッパ側から見れば対日戦勝記念日であり、降伏文書に署名した9/2となっているようです。