Bonne journée, Cross Cultural

five tall trees

見慣れた公園を歩いていたら、急に5本の背の高い木がそれまで見たこともなかったようにこちらを見つめていて、訳もわからず威圧感を覚えたのはどうしたことか。

その5本のスッと立ち上がった木は、多少の権威でも背負っているようにアイロンをきちんとあてた制服を着て、両腕を腰の横に置き、落ち着き払った様子ではあっても気迫に満ちた眼差しをこちらにむけていた。気づくまではゆっくりとこちらに歩いてきていたのかもしれないが、背丈よりは少し遠い距離を置いて立ち止まり、何かを言いたそうにしているのだった。その5本の木を見上げて慌てて写真を取れば、木々は一言も発することなくいつもの木に戻っていた。

だから妖精の住む国の朝の散歩は面白い。

Bonne journée

ブルターニュ#7

「素晴らしい教会ですよ。すっと力強く建った尖塔が見事です。旧市街には中世の建築もいくつか残っています。季節の花に彩られた街を存分に楽しんでください。水車小屋も面白いかも知れませんね。」
右手のペンを忙しく動かしながら、案内人はいつになく上機嫌で街の散策を強く薦めるのだった。焼き物はどうですかとガイドブックに書いてあったことを興味本意で尋ねると、彼はペンを止めて両方の襟に手をやってこう続けた。
「あそこまで行かなくてもその辺の骨董市で安く買えますよ。ホテルの近くには木曜日に市が立ちます。正直、私には区別がつきません。少々古臭く見えますがね。運河沿いを歩きたいなら行っても良いかもしれません。」

(ブルターニュ案内の7回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#6

「一度は見る価値がありますよ。ストーンヘンジばかりが巨石文明の痕跡ではありません。ソールズベリーだって同じケルト文化圏なのです。そもそもストーンヘンジの石柱もカルナックの石柱もメンヒルと言いますが、ブルトン語ですからね。」
いや、もう少し分かり易く言ってませんか、そう言いかけた時、彼は顔を上げてこう続けた。
「ああ、失礼。カルナックはなかなか興味深い所です。まずは、案内所の上から眺めてみてください。全体像は空から見るしかありません。展望台になっている少し高い建物がありますから、せめてそこから眺めてみてください。ほんとうに興味がありますか?だったらハイキングのつもりでぐるっと回る方が良いでしょう。でも、観光案内に書いてあったから見てみたいと言うだけの興味なら、展望台で十分です。近くの綺麗な海にでも行ったほうが良い。」

(ブルターニュ案内の6回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#5

「ミディ運河はたしかに良く知られています。誰が大西洋と地中海を運河でつないでいるなど想像できるでしょう。夏ともなれば、たくさんの船が行き交いますよ。でも、残念ながら、イル川にはミディ運河のような観光船が無いのです。夏のバカンスにでもミディ運河に行かれたほうが良いですね。」 
運河沿いを少し歩きたいだけだと伝えては見たが、船で楽しむ冷えたシャンパンの方がまともだと信じているに違いなかった。 
「えぇ、イル川沿いのハイキングも悪くありません。レンタルの自転車もありますよ。50km以上は楽しめます。どうしてもイル川がご希望なら、宿泊だけのボートを手配しましょう。シャンパンはついていませんが。でも、その前にひとつだけ確認させてください。ストラスブールではなく、ほんとうにブルターニュのイル川の話をされているのでしょうか。」

(ブルターニュ案内の5回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#4

「夏のバカンスには良いところです。大西洋岸よりは案外静かですよ。ただ、おそらくはモルレーの街ではなく、少し北の街を話されているのでしょう。確かにモルレーからも船はありますが、おっしゃりたいのはもしかするとロスコフでしょうか。」
いや、海ではなく高架橋が見たいのだと言うと、顎髭をさすりながら彼はこう続けた。
「血塗られた歴史です。確かに美しい鉄道橋ですが、それ自体はさして古くはない。いや、新しい方が良いのです。教会を見下ろすような鉄道橋です。むしろその教会を訪ねられたらどうでしょう。危なっかしい鉄道橋よりもきっと落ち着きます。」

(ブルターニュ案内の4回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#3

「あぁ、ブロセリアンドの森ですね。今はパンポンの森と呼ばれています。とても美しい森です。興味をお持ちですか。遠方からの方には珍しいですね。これまでブロセリアンドの森のことを聞かれたことはほとんどありませんでした。まぁ、わざわざ遠くから訪ねるような場所ではないと思いますよ。もっと他にたくさん良い場所があります。そうだ、教会巡りなどいかがですか。この近くにもなかなか美しい小さな教会がたくさんあります。」
彼はそう言ってコーヒーを一口飲むと、遠くに見える教会の尖塔を目で示した。
「そうですか、どうしてもブロセリアンドの森が見たいのですね。であれば必ず陽の高いうちにお訪ねなさい。たくさんの人がハイキングコースを歩いています。道に迷うことはないでしょう。決して陽が落ちる頃まで森で過ごさないように。夜は冷えますから。」

(ブルターニュ案内の3回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

I may still not be there. Thank you for your understanding.

Bonne journée

ブルターニュ#2

「何もありませんよ。まったく何も。ほんとうの西の果てです。波がただ音を立てているだけでね、行きたがる人には何か理由があるのでしょうが、とんとわかりません。」
そう言いながら歪んだ青いキャップをボールペンに戻すと、パタと音を立ててそれを置いた。
「まぁ、言い過ぎたかも知れません。立派な灯台ならあります。あとは強い風と小さな観光案内所がひとつ。もしそれでも行かれるのなら風避けにジャケットか何かをお持ちなさい。大西洋の風は案外強いですから。」

(ようやくブルターニュ案内の2回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

I will be a bit busy next two weeks. I may not be there.
Thank you for your understanding.