
都会に雪の予報があれば、
うんざりして何事か失敗を取り繕うような気分で過ごしながら、
実はひとひらも白いものが舞わないその日に、
何かを失ったような残念な気分をどこか抱くのは、
雪が降る街を離れて何年も過ごした夜の慣わし。
鼻の奥に酸っぱい痛みを感じながら
早朝の冷えきった新聞受けをさぐり、
白金と赤に輝きながら距離を縮める木星と火星を仰いで吐く息に
始まったばかりのいちにちを感じるのは、
どこかでつまらない嘘を隠す今日の後ろめたさ。
小さな悪徳がなければ息苦しく、
微かでも美德がなければ呼吸すらできない。
雪の写真は昨年のもの。





