Bonne journée, Photo, photo panoramique

This winter was

201503-311Personal summary of this winter in Japanese with photo.

鋭利な刃物で金属の塊から削ぎ落としたような限りなく細く冷たい月を浮かべ、ブラッドオレンジのホリゾントに浮かぶ富士のシルエットが、やがて深海の青に沈みこむ。やがて静まり返った朝の空気に痛みを感じる季節が、昼と夜とを隔てるドアのすぐ向こうにあることを知る。遅い秋の夕暮れ。

どこまでも遠く無音の空気が響き、時間に遅れた赤茶色の枯葉が先を急ぐ。どこまでも遠い青の深みに空の上下が返り、地上が宇宙と繋がり出す。どこまでも淡いストーブの光がそれと気づかないほどに小さく揺らぎ、閉め切ったドアの向こうの乾いた冷気を主張する。早すぎる冬の午後。

降り始めた雨に灰色の影が混じり、降雪による通勤電車の遅延がスマートフォンのメッセージを埋めていった数日前の記憶は、やがて公園の隅の白い痕跡だけとなる。柔らかに凍った地面からクリスタルの針が太陽に向かって伸び、例年より早く凍りついた空気が、束の間の休息に安堵をつぶやく。真冬の昼下り。

いつもより僅かばかりその先を意識すれば届きそうな枯れ木の向こう側、視界に広がる窪地を超えて飛び越せそうな先に見える山は、それでもなお、淡いヴェールの曖昧な境界で分け隔てられる。距離が地図に書き込まれた概念でしかなくなる頃、寒さは終わりを告げる。鼻奥に広がる冷たい湿気に微かに梅の甘い香りが混じり、木々はもぞもぞと声を上げ始め、海は強い光に輝きを取り戻す。そこにある春の朝。

Bonne journée, Photo, photo challenge

Weekly Photo Challenge: Wall

201503-201

Concrete walls aren’t as stiff as urban life.
Time to time we have some difficulties finding an exit.
Probably all we need to do is to keep a personal wall being soft.

201503-207

Here are some pics of concrete walls I took in a residential block.

In response to the weekly photo challenge, Wall by The Daily Post.

Bonne journée

ダイアローグ: 弾まない

201503-011Written only in Japanese

電車の中でぼんやりしていたり、道を歩いていて前を歩く集団があまりにゆっくりであったりすると、どうしても耳に入ってしまう会話がある。聞いては失礼だと思っても、聞き逃したいない話もあれば、聞きたくないのに聞こえてしまう話もある。

すっかり忘れていたダイアローグシリーズだが、先日、近くにいたふたりの会話を盗み聞いて、急に書くことにした。

「今日、じしんあった?」と先輩。
「んん〜揺れてた。」と後輩。そして沈黙。

何があったのか、会話の進まないふたり。浮かない表情で終始した会話は、会話の定義を見直す必要がありそうなほどに視線が交差しないままに消えていった。僅か数分。明らかに聞こえた会話はこれだけ。あとは小声でひとことふたこと。仕事の合間にする会話とはいえ、あまりに寂しい。

さて、「じしん」とひらがなで書いたのは変換ミスではない。ふたりが去った後でもそれが「自信」であったのか「地震」であったのか、未だ判然としないからである。打ち合わせの席での提案でもあって、出席者を説得できなかったようでもあり、午前中の小さな地震を確かめたようでもあり、その意図はなんとも分からない。ひょっとすると、会話するふたりの間ですら、会話が成り立っていなかった可能性もある。

そして、しばらくして思いあたった。会話である必要すら無かったのだろうと。