Bonne journée, Photo, photo panoramique

Photo wrap-up 2015

January

〜季節の違う写真も色が少なく
A hueless season

February

〜少し淡い色が見えてきたころ
with gentle and light colors

March

〜柔らかな華やかさが見え隠れ
slightly delightful colors

April

〜突然の原色
vivid suddenly

May

〜コントラストの高まり
higher contrast

June

〜青、蒼、藍
blue, blue, blue

July

〜光が色を隠す
the light taking over colors

August

〜最後の原色
the last colors

September

〜急速に失われる光
darker and darker

October

〜緑と茶が広がる
still green but brown

November

〜紫が恋しい
missing purple

December

〜落ち着いた色が思いの外多く
calm but colored

Thank you.

Bonne journée, Photo, photo panoramique

Shakedown

201512-311

I usually post an article about cross-cultural things in Japanese and photographs in English. A few weeks ago, as readers who understand Japanese know, I wrote a short story of my experience in Otaru, an historic northern town, through the finder of my old camera which was already missed somewhere. It was absolutely good SLR for taking snapshots. The Olympus with a 50mm lens had been a kind of reference for a long time. Now I own a D-SLR. It is much larger than Olympus but easier to use. At least it always captures a image as I looked into.
One of lenses I have used is 13-years-old zoom one and time to time camera reports an error then I have decided to add new one.
Pictures taken with new zoom are here.

先日、小樽での出来事を書いた中で、レンズの画角に少し触れた。単焦点レンズを当たり前のように使っていたのに、ズームレンズに慣れてしまうと単焦点はいささか面倒なレンズでもある。一方で、美しいボケや意識して距離を変えることによる面白さのようなものがあるのも単焦点レンズである。実は古くなったマクロレンズ(前の所有者を含めて20年ほど経過)を買い替えようと思っていたが、これまた古いズームレンズもエラーを出すようになってしまい、やむなくズームレンズの方を買い替えた。標準ズームはあまりに便利でこれがないわけにはいかない。ピントが甘いマクロレンズは、まだしばらく捨てられない。

Bonne journée, Photo, photo challenge

I spy with my eyes

201512-212

We are unaware of a myriad of creatures living in opposite side of our life.
I have tried to spy with my eyes on something unaware.

我々の生活の反対側に住む無数の生物を我々は知らない。
その知らない何かを探してみた。

201512-211

Looking for something new, looking for something fresh.
My second contribution to the weekly photo challenge, Eye Spy.

Bonne journée, Photo

乾いた金属

201511-411

ふり返っては海がそこにあることを風に確かめ、足元の段差に線路跡を感じてはかつての栄華をふり返る。そうやって、まだ9月だと言うのにコートが欲しくなる北の坂道を行ったり来たりした。小樽は思いのほか坂の多い街である。重いカメラを抱えて歩きまわれば汗もかく。何枚か写真を撮ったところで街を下り、海沿いのカフェに落ち着いた。随分と以前の話である。
そのこじんまりとしたカフェには、ふたつのテーブルと5、6人が掛ければいっぱいになるカウンターと天井が小さな明かり取りの窓との間に作り出す僅かな隙間にかけられた古い時計のノスタルジーとだけがあった。
「東京から?観光でしょ?」
その店のご主人は、素朴な焼き物のカップに淹れたコーヒーをカウンターの隅に座った私に差し出しながら、話しかけてきた。
「だってそんなカメラ抱えてるし。」
カウンターに無造作においたオリンパスの一眼レフに目をやる。古いそのカメラにはあちこちに小さな疵があったが、金属のボディはなお堅牢に精密な機械を守っていた。
「未だに使ってる人見ると嬉しいねえ。50mmってのもいいよね。」
ふと気づくと、時計のない壁にはモノクロームの写真が飾られている。どこでもある風景が時空から切り離され、特別な時刻を刻む。そうか、ご主人は写真を撮るんだなと思いながら、コーヒーを口にした。微かな酸味が舌の付け根に残った。
「あっと。俺の写真はだめ。どこかで知り合いに見つかっちゃうかも知れないし。どおってことないけど、案外、流れ者のいる街なんだよ。」
レンズを向けると店の主人はそう言って次のコーヒーの準備に向う。サイフォンのガラスがキンと高い音を立てた。

先日、テレビに映った小樽の様子を見て昔のことを思い出し、そう言えば以前は50mmレンズを使っていたこともあるなと気がついた。貰った古いオリンパスのフィルムカメラには50mmレンズがたまたま付いていて、それで何でも撮っていた頃は特に焦点距離など気にしたこともなかったから、次に手に入れたカメラのズームレンズは便利なレンズだなという印象だった。カメラが好きな人は焦点距離だけでいくらでも語れる向きもあるだろうが、その頃は何も気にしていなかったのだ。
新しいキヤノンの一眼レフは、もちろん貰ったものというわけではなかったが、レンズが傷んでしまったオリンパスの代わりだったから安売りの新古品で充分と処分予定の展示品を手に入れた。元から中古品というよりクラシックと表現したい古いオリンパスからすれば、どんなカメラも最新鋭だったのだ。たまたま安かった28mm-105mmだったかのズームレンズも便利そうと、カメラとズームレンズはどこにでも持ち出されることになった。
随分と重くなったカメラだったが、自分の住む横浜の散策から海外まで、それはいつでも使える便利な機材となった。遠い山々の広がりも、バックネット裏から見る野球選手の姿も、外のテーブルに置かれたカップも、すべて記録することができた。そうやってしばらくして、ひとつだけ写し撮ることができないものがあることに気がついた。

小樽のカフェではたわいもない話が続いていた。今と違ってそれほど話題にならなかったのか、運河の話をした記憶はないが、歴史ある街だからどこを見てきたかというだけで話すことはたくさんあった。
「もう何百年も新潟は身近な街なんだよね。」主人は唐突に言う。「いろんなものが、ここと新潟を行き交ったらしいよね。俺は歴史には詳しくないけど、今だってフェリーが通ってるもんね。」
壁の倉庫の写真は、まるで時代を切り出したように斜光に輝いていた。すべてモノクロームだというのに、そこにはオレンジ色が差し込んでいるようにさえ見えた。カメラを取り上げ、サイフォンの遠近感のないガラスをファインダから覗き込んだ。
「ちょっとお洒落に見えるかも知れないけど、案外、ファインダを覗くとつまんないでしょ?そんなもんなんだよね。」
また、サイフォンが鳴った。

新しく手に入れたカメラでなかなか撮れないものは、空気感のようなものだった。知人が触ってみたいから貸してというので10分ばかり預けたオリンパスには、現像してみると物置の埃に乾いたペンキ缶と湿った空気が写っていた。それからは、その乾いた金属とかび臭い湿った空気がひとつの基準みたいになっていた。だが、新しいカメラに変えた途端にそんな空気はどこにも写らなくなったのだ。
しばらくして、その理由が焦点距離と安売りのレンズと重いカメラにあったことに気がついた。新しいカメラでは写したいものにレンズを合わせ、古いカメラでは写したいものに自分を合わせた。新しいカメラのファインダを覗き込み、そこに見えたからそれでOK、そうやって写真を撮る癖が付いていた。たまたま手に入れた24mmの古いレンズを使って気づいたのだった。

普段はカメラの事を書かないが、まるで興味がないわけではない。例えば好きな画角というのがあって、それが35mmと85mmであったりする。機会があれば、このことでも書こうかとかと思う。

201511-412