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Mostly Monochrome Monday #269 w/LAPC

The world would be eternally huge and the ant may not think how far she is going.

世界は想像を超えて広がり、その蟻にはどこまで進んでいるのかもわからないのかもしれない。

A Part of Mostly Monochrome Monday

Sometimes we don’t need any additional explanation by colour to know how it is ephemerally coloured in our world. Sometimes we definitely need its colour to tell where we live. Our planet might consist with a lot of opposite things.

Bonne journée, Cross Cultural

カウンター・カルチャー・ショック(3)

前回から

 ブルターニュを発つ前、フランス在住の日本人の知人がニコニコしながら教えてくれた。
「日本に行ったら楽ちんですよー。みーんなお膳立てしてくれます。まず1番の窓口に行って、書類を見せると番号札をくれて呼ばれるまで2番で待って下さいって。書類書いてたって教えてくれるし、クレームしなくたってちゃんと進むんですよ。だからJALに乗りたいですよね。ロワシー(シャルルドゴール空港)のJALの搭乗口をくぐった時から何でも丁寧にサポートしてくれる日本なんですから。ホッとしますよね。」
 そうか、きっとそうだ。そうに違いないが、すっかり自分でなんとかする癖がついてしまった。サンプルに倣って書類を書いたって、ついこれでいいですかと確認してしまうのだ。コンビニのレジだって、商品をスキャンしてもらったら、つい金額や商品名を覗き込む。レジに何か表示されればつい確認する。
 もちろんそんなに心配する必要もない。表示されている通りにタッチパネルを押していけば良い。何も考える必要などないし、間違いようもない。まぁ、ちょっと戸惑うのは確かだが、ちょっと戸惑いながらもそのスムーズさに「えーっ」と驚くだけだ。それで十分だ。順番に進むだけで何もかもが完了してしまうのだから。

 だったら店員なんていらないじゃないかと思うのだが、でも、そうでもないらしい。急に思い出して随分前に作ったポイントカードを取り出し、指示通りに操作してみたらカードが読み込みエラーとなったのだ。あららともう一度やってみたがダメだった。さすがにここで店員の出番となった。
「カード、ちょっとよろしいですか?」
 そう言って店員はカードを抜き差しし、もう一度読み込みを行った。やっぱりエラーだ。
「番号で処理しますね。」
 店員はカードの数字を眺めながら16桁の数字を打ち込む。きっと古いからだめなんだと思っても、すでに店員は何かしらカチャカチャと忙しくしていて声もかけにくい。
「ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。」
 心からすまなそうにしている。いや、申し訳ないのはこちらのほうだ。だって、あなたが何か間違ったわけじゃない。そのカードが読めなくなっているだけなのだ。その読めないカードを思いつきで出したのは自分の方だ。古いカードを突然出されたというのに、一所懸命対応してくれているあなたに何も落ち度はない。
 きっとこれがフランスだったら「読めないわね。諦めて。」で終わりに違いない。そして客はこう言うのだ。
「前は使えたんだからそんなはずはない。ポイントがつかないのは不利益だからもう一度やってみて。」
「でも、読み取りエラーってなるからダメね。」
 店員はもう相手にする気もない。そうやって初めて次のステップだ。
「あなたは良くやってくれている。ありがとう。古いカードが読めない仕組みを提供している会社の責任ですね。でも私はポイントを失うことになるのだから、もう一度やってみてほしい。あなたの努力に感謝する。」
「ちょっと電話して上司に相談してみるから待って。」
 そうやって例外処理が始まるわけだ。だからフランスは時間がかかる。
 でも、日本ではなぜか責任のないアルバイトが顧客に謝ったりもする。「あなた、安い賃金のバイトでしょう。謝らなくていいから。」なんて言いたくなる。そんな調子だから交渉したりする必要もほとんどない。そんな楽ちんな典型例はお役所である。

 フランスから日本に引っ越すということは、日本に住民票を作るということを意味している。そのために区役所で転入届を処理することが引っ越しの第1歩だ。つまりは、あの悪名高いお役所仕事が第1関門となる。ところが、悪名高いというのはどうも根拠のない話でしかないようだ。
 まず驚くことに、何をしたい人は何番に行けと明確に入り口に書いてある。ご丁寧に案内所まであって、聞けば笑顔で教えてくれる。場合によってはそこまで連れて行ってくれて、
「まずはこの書類を書いてくださいね。」
と書類まで取ってくれたりする。
「戸籍はこちらですか?でしたらここに…。」
 これがフランスだったらまずはボディ・チェックからで、金属探知機まで当てられた上に、ようやく中に入って窓口の並ぶ部屋まで行ってもほとんど何も書いていない。「えーと、免許証の受け取りはこの列ですか?」
なんて警備員に聞いてみて、初めて場所が分かったりする。しかも教えてくれるのはその警備員ではなくて、列に並んでいる一般市民である。「ここだよ」と。

 ここでは窓口に転入届を出せば、引き換えに渡されるのは番号札である。やることといえばその番号札の番号が掲示板に表示されて呼び出されるのを待つだけだ。ふと番号札を見れば153なんて番号が書いてある。だが、そんなに待つのかとあたりを見回したところで100人も待っているわけがない。順番が前後することも多いからランダムな番号が振ってあるだけのことだ。後3人で自分の番だと思ったら後から来た人が先に書類受取ということもあることへの配慮らしい。そうやって自分の番号が毒々しい赤で表示されることを期待して掲示板に目をやると、担当者がこちらを見て言う。
「135番の方」
 惜しい。宝くじではずれた時の気分はこんな感じだろうかなどと想像していると、別な担当者が声をかけて来た。年金の処理もあるらしい。そんな話をやりとりしているうちに自分の順番がやってきた。自動販売機で予め購入しておいた手数料のシールを渡し、気づけば手続きは終わっていた。

次回に続く