Bonne journée, Cross Cultural

3ème…

ヨーロッパ諸国は新型コロナウイルスとの共存に舵を切ったということらしいが、だからと言って新規感染者が減ったというわけでもない。毎日100人にひとりが感染している状況に変わりはない。減少に転じたと言っても、英国はもう面倒になってちょっと調子が悪い程度では検査しなくなりつつあるのが実態のようだし、フランスはその充実した検査体制でも追いつかない水準で高止まりというのが正直なところだろう。2週ほど前は検査待ちが4日以上あったのが現在は2日程度になったらしいが、一体いつの検査をしているのか分からない。それでももはやマスクは必須ではない。フランス政府の唯一の頼りはワクチンブースターで入院を回避することにある。すでに3回目のワクチンを半数以上が完了しているのだから、そこそこ計画通りなのだろう。

あまり楽しい話ではないのでこれ以上は書かないが、共存するということは、経済をしっかり回して日常に戻すということである。フランスは、英国やデンマーク程には規制を撤廃していないが、それでも街には人が溢れ、1月中旬からのソルド(公的なセール=SOLDE)も2月8日までの日程で行われている。今年のソルドがどのくらい売れているのかまだ分からないが、バカンスに海外にも行けずお金が余っているそうなので、そこそこ売れているのではないかと想像している。

ソルドは、年に2回あるフランスのバーゲンセールであって、期間が決められているとか、セール専用品はだめとか、色々ルールがあって面白い。最初からソルドを意識して売ってそうな品物を見かけなくもないが、少なくともセール専用に安く作った製品ではなく、ソルド前から普通に売っていたものしか売ってはいけないことになっているから、ソルド中の品物の品質が悪いということはない。

そうなると、ソルドで買うタイミングが問題となる。ソルドの最初の週末は売れ筋商品がごっそり売れてしまうこともある。以前からショーウィンドウ越しにこれが欲しいなどと品定めしていても、値下げシールが貼られると同時に誰かに買われてしまう可能性だってあるはずだ。でも、最初の値下げは20%だったりもする。もしかしたらもう1週待てば30%オフになるかも知れない。いや、きっと色が売れ筋ではないから半額になるまで待とう。3回目の値下げ(3ème démarque)は今週だ。きっとそんな葛藤があるのだ。で、待てば大抵は物がなくなる。それが道理というものだ。あーあ、とため息をついてももう後の祭り。

ということで、写真の隅に見える “2ème démarque” の文字は、スポーツ用品ブランドのブティックの2回目の値下げである。きっとかなりお値打ち品があるに違いない。その隣、写真の中央はワクチンセンターの入口である。ここでは “3ème dose” で正しいかなどと聞いている。要は、3回目の注射かという質問である。注射より値下げの方が嬉しいが、こればかりは仕方ない。

Bonne journée

ブルターニュ#6

「一度は見る価値がありますよ。ストーンヘンジばかりが巨石文明の痕跡ではありません。ソールズベリーだって同じケルト文化圏なのです。そもそもストーンヘンジの石柱もカルナックの石柱もメンヒルと言いますが、ブルトン語ですからね。」
いや、もう少し分かり易く言ってませんか、そう言いかけた時、彼は顔を上げてこう続けた。
「ああ、失礼。カルナックはなかなか興味深い所です。まずは、案内所の上から眺めてみてください。全体像は空から見るしかありません。展望台になっている少し高い建物がありますから、せめてそこから眺めてみてください。ほんとうに興味がありますか?だったらハイキングのつもりでぐるっと回る方が良いでしょう。でも、観光案内に書いてあったから見てみたいと言うだけの興味なら、展望台で十分です。近くの綺麗な海にでも行ったほうが良い。」

(ブルターニュ案内の6回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#5

「ミディ運河はたしかに良く知られています。誰が大西洋と地中海を運河でつないでいるなど想像できるでしょう。夏ともなれば、たくさんの船が行き交いますよ。でも、残念ながら、イル川にはミディ運河のような観光船が無いのです。夏のバカンスにでもミディ運河に行かれたほうが良いですね。」 
運河沿いを少し歩きたいだけだと伝えては見たが、船で楽しむ冷えたシャンパンの方がまともだと信じているに違いなかった。 
「えぇ、イル川沿いのハイキングも悪くありません。レンタルの自転車もありますよ。50km以上は楽しめます。どうしてもイル川がご希望なら、宿泊だけのボートを手配しましょう。シャンパンはついていませんが。でも、その前にひとつだけ確認させてください。ストラスブールではなく、ほんとうにブルターニュのイル川の話をされているのでしょうか。」

(ブルターニュ案内の5回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée

ブルターニュ#4

「夏のバカンスには良いところです。大西洋岸よりは案外静かですよ。ただ、おそらくはモルレーの街ではなく、少し北の街を話されているのでしょう。確かにモルレーからも船はありますが、おっしゃりたいのはもしかするとロスコフでしょうか。」
いや、海ではなく高架橋が見たいのだと言うと、顎髭をさすりながら彼はこう続けた。
「血塗られた歴史です。確かに美しい鉄道橋ですが、それ自体はさして古くはない。いや、新しい方が良いのです。教会を見下ろすような鉄道橋です。むしろその教会を訪ねられたらどうでしょう。危なっかしい鉄道橋よりもきっと落ち着きます。」

(ブルターニュ案内の4回目をアップしました。この続きはこちらから。あるいはメニューの「旅」から辿ることもできます。)

Bonne journée, Cross Cultural

屋根のある場所

今日は少し楽しくない話題を含みます。読みたくなければ無視してください。

クリスマスが近づいてくると、なんだかソワソワとして落ち着かない気配が漂ってくる。おそらくは寒くなってきたという事なのだろう。屋根を持たない人にとっては厳しい季節がやってきた。ショッピングモールの地下駐車場は、駐車場の中こそ整備されているが、すぐ隣の搬入通路にはテントや毛布が散乱し、明らかに人の住む気配がしている。雨風が避けられる小さな空間は、貴重な場所となる。

あまり楽しい話ではないが、SDFとフランス語で言う家のない人は、非常に多い。フランスのSDFは100万人とも200万人とも言われ、政府は就農支援などの様々な方法で対応を続けている。人口6000万人の国である。2%以上もいると言う状況はかなり厳しいと言わざるをえない。とは言え、SDFの定義は日本とは少し違う。簡易施設などで過ごす明確な定住とは言えない人は全てSDFである。全く路上のみで過ごす人となると数十万人と言われている。日本は5千人程度なので、比較すればもちろんフランスの方がずっと多いのだが、単純に比較してはいけない。調査基準が違えば結果も異なる。

このSDFに対して、フランス社会は案外優しい。ごく普通の人がごく普通に挨拶をし、時に少なからず小銭を渡す。その優しさを逆手にとって、他人に小銭をせびって旅行する若者が増えたのが社会問題になったほどである。だから「あぁ、あの人、今日もここに来てるよ。元気でよかった。」と言う不思議な状況も生まれてくる。残念ながらマクロンが約束したように路上生活者が0ということにはなっていないが、それなりの支援が行われてはいる。

ただ、この状況である。COVID-19の新規感染者は増減を繰り返し、ロックダウンともなれば支援が届きにくくなる。上の写真はおそらくマルタ騎士団の支援活動だが、こうした支援がどうしても必要なのだろう。(GDPR法や肖像権の関係から少し見にくい写真となっています。ご容赦ください。)