A Part of Wordless Wednesday
Mostly Monochrome Monday #410
Sunday Thought

妙に説明的な街だなと急に思った。降りてきた遮断機の前に立っていたら、
「無理な横断はおやめ下さい」
と言う丁寧なような、そうでないような、曖昧な言葉で書かれた黄色い警告が、目の前を通過していった。
「無理な横断なんてしないって」
そう思ったが、その前に通過した場所には「自転車を止めるな」と書いてあったし、さらに少し前には「あるきたばこ禁止」と書いてあった。いや、確か「ここから先は月極め」とかも書いてあったし、どこの入り口かわからない角に確かに「入り口」と書いてあった。その上、「御用のない方はご遠慮ください」だそうだ。色々と注文が多い。
「無理な横断をはおやめ下さい」ってことは、無理じゃなければ横断しても良いと言うことか?ここは、「横断禁止」で十分なのじゃないか?もしかしたら、硬いことは言わないから無茶はやめてねと言っているのか?そんなことを考えていたら、だんだん理屈っぽくなってきた。
正直言えば、「〜はご遠慮ください」と言う表現はなんとなく落ち着かないのだ。「〜禁止」と言って貰えば、はい了解と素直に感じるのだが、遠慮しろと言われると、自分が図々しい奴だと言われているような気がしてくる。やれやれ。かなり理屈っぽくなっているぞ。そう思った頃にはもう手遅れである。その先の駐車場の表示が「空き」ではなく「そら」に見えてきた。
「知ってるって。街路樹の隙間から右側を見れば、空が見えるんでしょ。」
やれやれ。
Floral Friday #229

その表現が適切なのかどうかちっともわからないのだが、太陽の沸き立つプロミネンスが弾け飛ぶように見えた。水曜日の太陽は鼻にツンと来る金属臭を撒き散らしていたというのに、金曜日の太陽はどこか柔らかで、弾け飛ぶプロミネンスですら瑞々しく思えた。その太陽の表面には熱い息を吹き出す口が無数に開き、イソギンチャクのように通りかかる哀れな何かを待っているようにも見えた。焦げついた太陽の表面から伸びるピンクのプロミネンスには、よく見れば何かを掴み取るつるが延び、青臭い沼のような緑の宇宙でゆらゆらと揺れた。
休日の朝、何かをするには汗臭く熱い空気がコンクリートのようにじっと漂っていた。


