Bonne journée, Photo

春休み

春休みってこんなだったかな。
10代の子供達がけらけら笑いながら自転車で通り過ぎ、
昔ながらの電気店の店頭に置かれたTVでは、
ストライプの派手なジャケットを着たアナウンサーが、
場所が正確には思い出せないどこかの桜が満開になったと説明している。
滑っとした曇り空の夕暮れに、
コートを抱えたサラリーマンが、
スマートフォンにひきずられるように通り過ぎ、
その横の公園では、
もう暗くなって来たというのに子供達がすべり台を順番に滑り降りる。
暖かな日没のすっきりしない空気と曖昧な年度末。
生暖かい風に流されて茶色になった花びらは、
まもなく降り出す雨を吸い込んで湿った匂いを放ち始めるのだろう。
入学式までの数日は、
静かにしてなどいられない子供達が公園に溢れる少しばかり長い週末。
春休みってこんなだったかな。

その光景の中でどこか違っている気がするのはきっと自分。

Bonne journée, Photo

Sakura

IMG_3935

この季節、どうしたって桜の写真を載せないわけにはいかない。そういうものである。いや、桜はあまり好きではないと言ってなかったか?と誰かの声が聞こえてこなくもないが、好きとか嫌いではなく、そこに桜が咲いているかどうかである。車内吊り広告さえも桜が商品を囲み、気がつけば背景色まで桜色となれば、言い訳もたつというものだ。

ところが困ったことに大抵の写真は撮ってしまっている。クローズアップも広角での広がりも、上から見下ろした花見も望遠で空間を圧縮した散りゆく姿も、おおよそ撮ってしまうとなんだか同じような写真は載せにくい。たしかに夜桜はまだアップしていないし、知られた名所にもほとんど行っていないが、なんとなく出かけるのも億劫になっている。だからふと思ったのである。夕方のコントラストの低い柔らかな四季桜はどうかと。

うまく撮れたのかと言われれば、少々根気と技術が足りていない。良い光を待って良い構図が見つかるまで探し回るとか、せっかくのデジタルなのだからその場で確認するとか、その程度の努力は惜しんではならない。でもそれで良いのだろう。でないと、ファインダばかりのぞいて自分の目で愉しむことを忘れ、気がついたら終わったシーズンの写真をアップしていたなんてことになりかねないのだから。

IMG_3936