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Floral Friday #231

(日本語は少し下にあります)
There is a saying that the weather is good for ten days after the end of the rainy season. This is old knowledge that the high pressure in the Pacific Ocean becomes stronger, hot winds from the heated sea in the south cover Japan, and sunny weather continues. It would be nice if this means the end of the humid air of the rainy season, but it also means that the intense heat is about to begin. Sigh.

 「梅雨明け十日」なんて言うが、今年は長い長い真夏のような梅雨の中休みがあったので、どこが梅雨だったのかわからなくなっている。「梅雨中十日」であった。で、そろそろ本当に梅雨明けしたなと思える暑い十日が過ぎた。(それなのに、この写真は盛夏じゃないじゃないかと言われそうだが。)やれやれ。立派に暑い。

 これからの季節にも百日紅とか夾竹桃といった夏の花が楽しみではあるが、やっぱり真夏は花が寂しい。ハナスベリヒユも、朝のいくぶん涼しい時間帯に動くからまだ咲いていない。そんな寂しさを感じながら、やっぱりヨーロッパは夏は涼しいんだなと思うのである。もちろんヨーロッパだって夏は花が減るのだが、ずっとたくさん咲いているのだ。紫陽花だって夏の花である。
 だからたまにやってくるサハラ砂漠からの熱波で、北部フランスやドイツは大変なことになるのだ。40度も気温があるのに、エアコンなんて入っていない。たった数日のその暑い日のために、エアコンを買うのは考えにくい。
 じゃあ、やっぱり日本の方が過ごしやすい?なんてことはもちろんない。

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Mostly Monochrome Monday #411


There is not much difference between gray painted on white, gray painted on black, and gray on gray, but each gray is still a different kind of gray.

白の上に塗りつけた灰色と黒の上に塗りつけた灰色と灰色の上の灰色にさして違いは無いが、それでもそれぞれのは灰色は個性を持った灰色である。

A Part of Mostly Monochrome Monday

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #230


 暑いのが苦手である。湿気が苦手である。関東の夏は苦手である。でも、北関東生まれなのである。
 子供の頃、7月の夏祭りに連れられて鄙びた夜の街をあるき、陽気なお囃子と朱に滲む提灯のあかりを反芻しながら家に戻る帰り道、スーッと飛ぶ蛍の檸檬色のような光に思わず手を伸ばした。手に持っていた団扇に蛍があたり、大人たちがあらあらと言いながら捕まえてくれたその蛍は、蚊帳の中でしばらく光っていた。雨戸を開け放ち、戸締りなど無縁な田舎の古屋で、涼しい風を感じながら眠りに落ちたのは、今思えばまだ9時くらいの早い時間だった。大人たちは、それから瓶ビールなどを飲みながら、きっと遅くまで起きていたのだ。
 少し後になって、自分は中学生になり、体育館で夕方の部活動をしていた時だった。雷雨になるなとは分かっていたが、その日は不意に強烈な雷がなって、程なく先生が慌てたように体育館から出るなと言いにきた。校舎までの渡り廊下は通ってはいけないと。確かに5分後には強風が吹き始め、やがて豪雨が渡り廊下を洗い始めた。雷はますます激しくなり、開け放っていた体育館のドアからも霧のような水が飛び散るように入ってくるようになった。北関東生まれの北関東育ちだったからそんなことには無頓着だった。いつもの夏の雷雨。近所の神社の御神木が燃えたこともあった。30分もすれば雨も小降りになって、涼しい渡り廊下を歩いて校舎に戻ったのだった。体育館の横には、芙蓉だったか木槿だったか記憶が定かでないが、ハイビスカスのような南国風の花が咲いていた。
 いつからか、その涼しい夏の感覚が思い出せなくなっている。さて、どうしたものか。