
「パリはフランスとは違う。だから、マスクもしないたくさんの若者がセーヌ川のほとりでビールを楽しんでいるなどと、パリの事をフランスの事のように話さないでほしい。」
しばらく前に少しだけお知らせしたテキストの全文を公開しました。「le vent d’ouest(西風)」というタイトルでシリーズ化できたらと思っています。まずは、Bretagne(ブルターニュ)について。上のバナーからもリンクしています。
capturing in prose

「パリはフランスとは違う。だから、マスクもしないたくさんの若者がセーヌ川のほとりでビールを楽しんでいるなどと、パリの事をフランスの事のように話さないでほしい。」
しばらく前に少しだけお知らせしたテキストの全文を公開しました。「le vent d’ouest(西風)」というタイトルでシリーズ化できたらと思っています。まずは、Bretagne(ブルターニュ)について。上のバナーからもリンクしています。

夏の光が次々とこぼれ落ち始めて、もうこれで少しくらい寒い日があってもそれを受け入れられそうだなどと勝手に決めつけてからいくらも経たないうちに、ツンと酸味が鼻に抜けるようなシードルの香りも足首に抜ける青臭い風もすっかり忘れ、冷え切った雨が錆色の石畳を濡らす遅い春が戻ってきてしまったようだった。もはや掴みどころのない不安でも不確実な明日への焦燥でもなく、単に果てしなく続く倦怠感の深さを表すだけとなった毎日の数字に、乱雑なカフェでのおしゃべりと時計仕掛けの職場に揺れるマスクとが今日と明日との隙間を行ったり来たりする。少し行き過ぎた夏の日差しを冷やすには程よい雨が、夜10時を過ぎてようやく夕暮れを迎える夏至の悪徳を洗い流す6月の終わり。もう夏は来ないのだと、すれ違う自分がささやいたような気がした。まもなく不愉快な汗が楽しみになるはずと、冷気が流れ込む窓を閉めようとする自分が言い返した。
夏の暑さが来ると同時に屋外でのマスク着用の義務も無くなったフランスは、羽目を外した大騒ぎとそれに眉を顰める人々とのバランスで成り立っているようにも見える。一部では目立って新規感染数が増え始めているとのことで、来年に大統領選を控えた今は打つ手が少ないのだろうか。

The third lock-down was over several weeks ago. France is still under curfew but it’s much shorter, indeed 21 to 6. People is having daily lunches at the terraces and a town is going to be a bit noisy. For the moment, however, I don’t feel like to do the same way. I rather prefer strolling around a forest early morning.
フランスはまだ夜間外出禁止が続いてはいるが、徐々に日常が戻ってきた。テラスで食事をする姿はもはや日常だ。自分はといえば、まだまだその仲間に入ろうというきにならず、早朝の森を彷徨っている。


「パリはフランスとは違う。だから、マスクもしないたくさんの若者がセーヌ川のほとりでビールを楽しんでいるなどと、パリの事をフランスの事のように話さないでほしい。」
「ロンドンはEUではない。だから、パブでビールを飲むならマスクは要らないなどと、ロンドンの事をEUの事のように話さないでほしい。」
正直に言えば、そこまで直接的な言い方ではないかもしれないが、それでもこの2年ほどで何度か聞かされた話の一部ではある。パリに用事があってTGVの予約をすれば駅からはスリだらけのバスに乗るなと言い、EUのCOVID-19感染状況マップ上を見れば英国とスイスは真っ白のままでであれはEUじゃないからねと言う。
パリが安全ではないと言うのは、ある意味本当のことであって、仕方ない反応ではある。地方の道を歩いていて財布をすられることなど滅多にないが、その地方からパリに出かけた人の何人かは何かを経験している。白昼堂々身包み剥がされそうになったとか、携帯を奪われたとか、そんな類いである。日本人を含む外国人の話ではない。地方生まれ地方育ちの生粋のフランス人の話である。だから、フランスにはパリとフランスがあるなどと言いたくなるわけである。いや、単に田舎者と言うだけじゃないのかとは思わないわけでもないが、そこはそれ、礼儀というものもある。

だから地方の人がパリが嫌いかと言われれば、そんな事もない。確かに特段の用事もないのにわざわざ行くような場所ではないだろうが、むしろフランスの中でもパリは別物と思っているだけなのである。多少の偏見もあるだろうが、一人ではなく複数の知人が言うのだから特殊な話などではないはずである。あんな狭い家には住みたくないだとか、1時間も通勤電車に揺られるなんてごめんだとか、そんな感覚がおそらくパリに距離感を感じる理由なのだろう。
ただ、ブルターニュについて言えば、多少違った要素もあるにはある。ここで言うブルターニュとは、フランス北西端の行政単位としてのブルターニュ地域圏と言うより…
(続きはまた後日。)

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