少し前の写真である。フランスのとある街で何気なく入った教会は、静寂そのものだった。夕刻の礼拝にはまだ時間が早く、わずかな光が射す内部には誰一人いなかった。 Continue reading “Photo panoramique: フランスの教会にて”
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Bonne journée (16)
冬のような寒さと激しい雨の週末の後、キンと冷えた月曜の朝は、透き通った空と強い陽射しが眩しく美しい朝だった。いつの間にか紫蘭(シラン)の紫の花が開き、雛罌粟(ヒナゲシ)のくすんだオレンジが広がっている。春はまだ歩み続けている。 Continue reading “Bonne journée (16)”
パンはどこに置いたら
huile d’olive オリーブ・オイル
フランス料理と言うとワインやフォアグラなどが真っ先に思い浮かぶところだろう。あるいはブイヤベースのような名物料理かもしれないし、オマール海老やトリュフといった海や山の食材かもしれない。個人的には、チーズやオリーブオイルもイメージが強い。だが、実際のところ、日本でも地域によって味が違うように、フランスでくくるのは少々乱暴である。どもそもドイツワイン好きがいたり、チーズはスイスだとかオランダだとかと言って譲らない人がいるように、ヨーロッパは広い地域に同じ素材が緩やかに広がっていて、それぞれに特徴がある。
遠く日本にいてフランスを思うと、ヨーロッパの西の方と十把一絡げにしてしまうのは致し方ないところだろう。フランス人が日本を見て中国の右のあたりとイメージするのと同じである。それを聞いて腹を立てるひともいるだろうが、フランス人も同じ気持ちに違いない。あるブルターニュの人が、日本人から
「ああ、ワインが美味しいところですよね。」
と言われてがっかりしたと聞いたことがあるが、気持ちがわからないでもない。確かにブルターニュとブルゴーニュの場所を地図で示せと言われても平均的な日本人には難しい。それでも、川崎に住む人が
「ああ、バイクを作ってる街ですね。」
と言われたり、鎌倉に住む人が
「行ったことがあります。鹿のたくさんいる公園があるところですよね。」
と言われたりすれば、がっかりするに違いない。 Continue reading “huile d’olive オリーブ・オイル”
le carrousel
ヨーロッパの街には広場が多い。旧市街の狭い街並みを抜けるといきなり視界が開け、石畳の賑やかな空間が現れたり、新しい街並みが伝統的な様式で広場を備えていたり、生活の中で重要な場所となっている。オープンカフェでくつろぐ人や古本を物色している人を見ていると、そんな環境が羨ましいと思うと同時に、実は、街には必要な機能なのではないかと感じてくる。ある時には、やけに小さなハープを奏でている若い人がいて、ストリートミュージシャンもヨーロッパだとこうなるのかと妙に感心したりもしたが、聞いたところ、地元に昔からある伝統楽器で伝統音楽を伝えるグループの練習ということだった。日本だったら、さしずめ、なんとか太鼓の保存会といったところか。もちろん、若い人はロックだったりするのが普通だろうが、そういったエネルギー系の音楽は、夜遅くなってからがメインである。 Continue reading “le carrousel”


