Art, Bonne journée, Cross Cultural

柿の実


 柿の実がボツリと落ちた。テカテカと光アスファルトに咽せたように、その小さな独り言が溶け落ちた。夏空の隅々まで覆い尽くす蝉がいっそう大きく騒いでいた盛夏の午後。
 足元に打ち付けられた緑色の柿の実は転がることもなく、焼けるような日差しには似つかわしくない瑞々しい内臓を曝け出して無言のままそこにいた。日差しはますます休む事なくアスファルトを照らし、何も覆うもののない首筋に突き刺さった。重く澱んだ盛夏の午後。
 踏みつけた小さな何かが薄茶色のため息を吐いても、それに気付かなかったふりをして引き攣った次の足を前に押し出す。そこに入れた事すらも忘れていたスマートフォンのバイブレーションが、汗が染み込んだ右の背中を振るわせ、半分開いた唇の渇きが、左の首筋を押さえつける。もうひとつ、青い柿の実が落ちた。

 本当に「記録的」な暑さだなと思っていたら、7月の記録としては更新していて、年間の記録更新も間違いないとのこと。本当に涼しい日は来るのだろうか。熱中症で倒れた経験から言うと、水分は「喉が渇く前に飲む」が原則。自分で気付かないうちに急に倒れます。お気をつけ下さい。

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Floral Friday #128


 夏になると少しばかり人工的で濃厚な色が多くなる。それが何かの自然の摂理と関連しているものなのか、見ている側の期待による結果なのかはわからないが、そうした色を見て夏が終盤を迎えたことを感じている。海洋性気候の石垣島よりも高い横浜の気温にため息をつきながら、ブルターニュの知人から聞く秋の気配を想像して少し涼しい気分になった。夏のはじめに少し気温が高くなったが、いつものように盛夏であっても25度で過ごしやすいとのこと。でも、暑い海に行くらしい。それぞれの夏。

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Floral Friday #127


 情熱的な真紅の花弁に見惚れていると、もう先終わろうとする茶色の混じった白や透き通る緑を忘れてしまいそう。夏本番になって、写真のような咲き乱れる春の名残もそろそろ終わり。大好きな百日紅と夾竹桃のピンクを楽しむ時期がやってくる。
 さて、次はどこに行こうかなと考えてはみるが、住んでる横浜だって遠くから観光客が訪ねてくる場所なんだから自宅でのんびりしているだけで贅沢なのだろうと、心にもないことを独りごちる。そんなことを逡巡しているだけで、立派な”Wanderlust“。