Cross Cultural, Photo

Floral Friday #225


 無数の真っ赤に熟したヘビイチゴが広がる道端の草原に足を踏み入れ、そっと絡み合った細い緑の葉の中を覗きむと、小さく髪の毛のように細い脚があちこちで動いていた。何かを狙っているのか、獲物を捉える罠を作ろうとしているのか、緑褐色の蜘蛛がヘビイチゴの上でじっとしていた。その様子を眺めていたら、その奥に広がるドクダミの花の場所まで進む気にはなれなくなったのだった。そしてふと考えた。この人工皮革の白いスニーカーの白いソールの下に、どれだけの営みがあるのだろうと。
 かつて沖縄のその先の離島の誰もいない浜辺で、珊瑚のかけらで出来た真っ白な砂と流れ着いた枯れ枝の間に無数の米粒のようなヤドカリを見つけ、ふと持ち上げた足の下からいくつものヤドカリが這い出してきたことを思い出した。アウターリーフの白波を遠く眺めながら、全く音のないその場所で、足元からは賑やかな声が聞こえたような気がしていた。
 早々に引き上げた日常の世界では、鶯が最後の囀りをいつまでも続けていた。

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Mostly Monochrome Monday #405


A metallic plant blooms beside a narrow, inorganic path between a tennis court and unused land above a concrete flood control basin. However, what is not widely known is that the plant is edible.

コンクリートで出来た遊水池の上のテニスコートと未利用地の間に続く無機質な小道の脇に、金属のような植物が花を咲かせる。その植物が食べられることは案外知られていない。

A Part of Mostly Monochrome Monday

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #224


 色々と面倒なことが続いた一週間が終わると、一息つくよりも次のことを考えるのは現代人の悪い癖か。貯湯槽の補修代の請求書が届いていないなとか、病院の予約は何時だったかなとか、そろそろ契約処理の連絡が来ても良い頃だなとか、休みの日にはちょっと贅沢なものでも食べに行きたいなとか、延々と考えている。そういえば葛の蔓が伸びてきてたから切らなきゃなんて思い出すと、慌ててTODOリストに書き加えるのだが、それで安心すると美容院の予約の時間が気になり出す。たまにはのんびり何も考えない時間を作った方が良い。何もしない時間は頑張れば作れるのだが、何も考えない時間というのは難しいのだ。

 まだまだ晴れの日があるとはいえ、もう5月の半ばから梅雨入りしたみたいな横浜。そんな曇りや雨の日の隙間時間に無機質なコンクリートが並ぶ場所を通れば、不意に路傍に咲く花を見つけたりする。その写真を撮りながら、錆びたガードレールの模様が面白くなって写真を撮り直す。そしてふと思うのだ。

 「考えすぎだって。」

 そんな週末が過ぎていく。