Cross Cultural, Photo

(Floral) Friday Fragments #277


 梅雨前に楽しめてよかった。
 どことなくハイビスカスにも似たタチアオイ。同じアオイ科だから近いのかと思いきや、ハイビスカスはフヨウ族、タチアオイはタチアオイ族なので、分類的にはあまり交流のない遠い親戚くらいの関係だろうか。確かにタチアオイは、すっと天に向かって伸びる芯のしっかりした草のイメージだが、ハイビスカスはあちこちに枝を延ばす木質のイメージ。花の咲き方が多少似ているだけで、咲いていない時は別物ではある。

 そんなタチアオイだが、梅雨葵(つゆあおい)という別名を聞くと、俄然、イメージが変わってくる。本来は6月の半ばくらいから7月下旬にかけて、徐々に下から花咲いて行く。梅雨が始まると同時に咲き始めて、てっぺんの花が咲く頃には梅雨が明けている。だから梅雨葵。そんな季節感だが、最近は5月の中旬には咲き始めてしまうような気がしないでもない。気温が早く高くなってくるのが原因なのだろうか。
 それでも、この呼び方が静かで良い。漢字よりもひらがなの柔らかさが似合っている。つゆあおい。梅雨明けの青空に映える真っ赤なタチアオイも悪くはないが、つゆあおいの静けさも悪くない。

 ハイビスカスのような亜熱帯のイメージのタチアオイと梅雨の肌寒い朝のつゆあおい。なんて、対比を考えていると、頭の片隅の理性がオイオイと割り込んできた。ハイビスカスは冬の花。なんとなく南国のイメージを持ってしまうが、必ずしもそうではない。
 あー、オクラが食べたくなってきた。まだ、もう少しかかるなあ。

Cross Cultural, Photo

(Floral) Friday Fragments #276


 今更この写真?そう言われそうですが、出しそびれていました。今週は、どうかご容赦ください。
 ちなみに撮った理由は蜂です。えっ、蜂なの?そう言われそうですが、中央の左寄りにちゃんと飛んでいます。何度も言いますが、今週は、どうかご容赦ください。

 昔は、古い300mmマクロ・レンズなんてものを持ち出して、こんな写真をよく撮っていました。300mmですからもう少し蜂に寄っていましたし、そんなレンズ特性を活かして、柔らかな光を捉えるようにしていました。でも、最近は、そんな教科書通りの写真を撮ってもつまらないと思うようになりましたし、何よりも、肩凝りを覚悟で持ち歩く元気がありません。フルサイズセンサー用の300mmなんて、ご飯食べるのにスコップ持ち出すようなものです。今時のスマホなんて、小さなコップいっぱいの水より軽いのです。

 えっ?分かっています。言い訳です。ウエイトトレーニングだと思って、持ち歩けば良いのです。鍛えるより先に、肩凝って腕が上がらなくなりそうですが。

 で、蜂は見つかりました?

Cross Cultural, Photo

(Floral) Friday Fragments #275


 たびたび書いているのだが、今年はなんだか季節の進みが早い気がする。それとも自分が速度についていけてないのか。
 バラももう終わりだし、最近はもうずっと雨降りで梅雨みたいだし、紫陽花もそろそろ満開だし。それって6月中旬じゃなかったかなあ。なんて思ったりもする。
 で、よくよく調べてみたら、確かにバラの時期は1週間くらい早いし、紫陽花も同じように1週くらい早めの感じではあるのだが、せいぜいその程度の差でしかないらしいのだ。えっ?もしかして、時間についていけてない?なんて心配になってきた。

 まあ、そんなことは個人的なことで、ここに書く話じゃない。そういえば同僚が会社を去る日は今月末だったな、なんて急に思い出すのだが、極めて個人的な話じゃないか。やれやれ。
 決まって最後はひとり反省会みたいなことになっている。

 年齢が上がるにつれて、経過する時間がどんどん速くなると聞くが、それって実は間違いなのじゃないかと思い始めた。経過する時間が速くなるんじゃなくて、自分の時間が遅くなっているのかも知れない。自分の時計がゆっくりしか動かないから、周囲の時間がどんどん速く感じているのだ。きっとそうだ。そうに違いない。困ったことになった。
 どうやったって、自分時計の速度を速める事などできない。

 というわけで、やれることはたったひとつ。現実を受け入れよ。それだけだ。
 がっかりする事などない。悲観的な気分になろうが、あっという間に時間が過ぎて行こうが、自分の時計の速度が遅いからと言って、世界は変わらない。

Cross Cultural, Photo

(Floral) Friday Fragments #274


 子供の頃は、沈丁花の香りが好きだった。やがて大学生になって色々なことを好き勝手にやるようになると、沈丁花のようなほんのりと甘くどこかスパイシーな香りではなく、クチナシの強く甘い香りが好きになった。遠くからでも感じられる金木犀のフルーティな甘さも良いが、どこかストレートにくる甘さのようなものが気になるようになったのだった。

 なんだか、子供の頃の方が大人びた香りが好きだったみたいで、なんだか落ち着かない。でも、そのうち、歳を重ねて色々わかってくると、その匂いの感じ方も自分でわかるようになってくる。やがてたどり着いた結論は、案外自分は少し薄汚れた匂いが好きなのかも知れないということである。気になっている匂いは、いつもジャスミンに似ている。時々惹かれて写真にするニオイバンマツリも、匂い蕃茉莉であって、ちゃんとジャスミンを意味する「茉莉」と言う名前が付いている。とは言っても、ジャスミンとは全く無関係な花木であり、香りもジャスミンとはだいぶ違う。それでも、万人が、ジャスミンみたいだと思う匂いがするということなのだろう。

 ところで、ジャスミンという名前は、ペルシャ語期限の女性の名前としては一般的だとか。確かにジャスミンという名前のタレントさんもいるし、ディズニー映画でもアラジンに出てくるヒロインはジャスミン。残念ながら、知人の中にはいないので、真偽のほどはわからない。

Bonne journée, Cross Cultural

Chinatown


 久しぶりに見たというよりは感じた横浜の激しい混雑は、もうそれ自体がアトラクションのようだった。もう、毎年の事だが、この日だけは混雑するので山下公園やみなとみらい地区には出かけないようにしてきた。以前は早めに出かけていって、よこはまパレードだけを楽しんだら最後のグループが登場する直前にその場を離れていたのだが、それでも激しい混雑は避けられない。5月3日である。横浜のゴールデンウィークの混雑のピーク。

 しかし今年は、フランスから知人が遊びに来ていたので、思い切って大混雑の中華街と山下公園に連れ出したのだった。関内駅で京浜東北根岸線を降り南口に歩き始めた段階で、この決断が大きな間違いだったと後悔していた。なにしろ、ホームから人が出きらないうちに次の電車が来る始末。ようやく駅の外に吐き出された頃には、早くも疲れたような気分にすらなっていた。とはいえ、右も左も分からないであろう知人グループを置き去りにするわけにもいかない。何しろ、家族みんなで来た10人近い人数のグループなのだ。ひとりくらい忘れても気づかないのじゃないかとハラハラする。

 みんなを集めて聞く。
「中華街には興味があるか?世界最大級の中華街で、世界で一番安全だ。ただし、今日は半端じゃない混雑だから、行くなら午前中の今しかない。行きたいひと〜!」
返事は案外そっけない。任せるよ。ニューヨークみたいな感じかなあ。その程度である。了解。じゃあ行こう。行けなかったなんて後で言われてもつまらない。

 歩き出して最初に通過するのが横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアム。
「このスタジアムは何?」
「ああ、横浜のプロ野球チームの本拠地だよ。」
なんて説明をするが、そもそも野球って何?という国から来ている。フランスだって野球チームはあるが、さほど人気がないからほとんどの人がルールさえ知らない。せいぜいクリケットっぽい感じらしいという程度である。しかもその理解は明らかに間違っている。幸いなことにスタジアムには興味があるが、野球は知らないからその程度の説明で十分だった。

 そんな説明をしながら公園を抜けて右にゆくよーなんて声をかけて振り返ったら、すでに2名足りない。トイレに行ったとのこと。仕方なく待ち時間に横浜の歴史を説明する。たった160年ほどの歴史だが、開国から絹の輸出までを説明して、パリ万博の話などに触れていたら、案外興味深かったらしく、急に後が楽になった。
「でね、当然中国の貿易商などもいたわけじゃない。その通訳が住んでいた場所が中華街の原点なんて言われているんだよ。」
ようやく話がつながり始めた。

 そんなこんなで中華街の一番隅っこ、へりの部分にたどり着いて宣言する。
「これから中華街に入って行くけど、安全とはいえ、スリには注意してね。多分、今日はかなり混雑しているから尚更ね。」
しかし、反応は鈍い。ふーん。そんな程度である。確かに中国語の看板も見えているし、ちょっと裏路地風の感じがさも中華街という雰囲気も感じるが、面白みはない風景かもしれない。古臭い灰色の壁に漢字。それだけ。仕方なく、狭い通りを抜けて中に入っていく。

 ふと、角を曲がった時である。みんなから一斉に「おー」という声が上がる。それらしい赤と金が主体の看板やら何やらがごちゃごちゃと目に飛び込んでくる。そこで気づいたのである。確かに日本人には、日本語と中国語の区別はついているが、フランス人にとっては直ぐには判別できない。ようやく違いがはっきりわかる場所に着いたというわけである。

 そこからは誰もがスマートフォンを取り出して写真を撮り始めた。一通りメインストリートをぐるぐると回り、お決まりの関帝廟にお参りし、最終的に東門近くまでたどり着いた頃には息切れするレベルである。ごった返す通りを歩くのに疲れ果てた若い連中は、肉まんを買うという。いや、買うなら大混雑の午後より今が良いが、それでも20分待ちだよ、なんて言っている間にいつの間にかもう列に並んでいた。やれやれ。まあ、そのためにここに連れてきたのだから、楽しんだ方が良い。買い方わかるか?なんて声をかけたら、分からないから楽しいとのこと。まあ、そりゃそうだ。道の反対側のちょっとした空き地のようなスペースに立って、買って帰ってくるのを待つ。すると、残りのメンバーがいつの間にか消えていた。別な店で風鈴を物色中である。そして言う。
「これって何?呼び鈴?この下の紙の部分を持って鳴らすの?」
確かに見たことがなければ何に使うものか分かるはずもない。
「これはね。風に揺られて小さな音が鳴るんだよ。暑い最中にこんな音が聞こえると、少し涼しげでしょ。」
そう言って、口で息を吹きかけて音を鳴らす。
「え?どういうこと?」
はいはい。その通りですね。音で涼しさを感じる文化なんて、簡単には伝わらない。そこから言葉を尽くして説明する。最後には、すっかり意図が伝わって、ぜひ欲しいなんて言い出したが、文化の説明は難しい。

 そんなことをしていると、やがて肉まんをたくさん抱えた若いメンバーが戻ってきた。さあ食べよう。そんな感じである。パクッと口にして言う。熱い!そういうものだ。熱い食べ物に慣れていないフランス人である。不用意すぎるというものだ。それでも面白がって食べるとようやく動けるようになった。

 中華街を抜け出して山下公園近くまでくると、多少人混みも減ってきたが、それでも普段に比べたら断然人が多い。中華街はすごい人だったねえなんて驚いていたが、今度は、よこはまパレードの壁が待ち受けている。
「へー、高校生とかも出ているんだね。もしかして、横浜の高校生はみんなこれに参加するの?」
いやいや、人口300万人だよ。この調子でパレードしてたら何日かかることやら。またも質問の嵐だったが、どうやら混雑している理由の一つも理解したようで、めちゃくちゃ面白いという。連れてきてよかったとようやく安心したのだった。

 それから山下公園を少しだけ散策して、氷川丸に立ち寄れば、予想外に高級な貨客船の歴史と船から見える風景が面白い(らしい)。再び中華街に戻って予約をしていたレストランでようやく遅い食事となった。
 この戻ってきた時の中華街の混雑といったら笑いが漏れるレベルだった。
「ようやく、午前中の方がまだマシと言っていた意味がわかったよ。」
本音だろう。こんな混雑、自分も経験がない。

 この後も混雑話は続くが、それはまた別の機会に。
 
 今回は写真を撮っていません。ここで使っている写真は空いている時に撮った過去のものです。ホスト側なので、そんな余裕もなく、なんとか喜んでもらうので精一杯でした。お察しください。
 時々聞かれるのでもう一点。会話は英語です。「お前、フランス語より英語のほうが楽だろ。英語でいいよ。」いやはや助かる。フランス語ではボキャブラリは足りず、ニュアンスを伝える語学力もありません。そんなわけで、英語、時々フランス語、稀に日本語という不思議な会話をしていました。中華街のど真ん中で、たまたま前を歩いていた二人はスペイン語でなぜかAIについて議論中。横の店では中国語のやりとり(何を言っているのか不明)。そんな中でブレずに英語を話すのが混乱しないコツというものです。疲れました。