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Mostly Monochrome Monday #430


Are the overlapping leaves at the end of autumn, their shadows, or sunlight filtering through the gaps between the leaves? Perhaps it is all of these, a feeling of regret for the passing of autumn.

重なり合っているのは、秋の終わりの葉なのか、それらの影なのか、それとも葉の隙間を抜ける陽の光なのか?多分、それらの全てであり、ゆく秋を惜しむ思いである。

A Part of Mostly Monochrome Monday

Bonne journée

MORT


 法の精神なんて堅苦しいことを言うと、この先読んでもらえないかもしれない。そんな大袈裟な話ではないのだが、この言葉が便利だからちょっと使ってみた。
 発端は「相席ブロック」に対策をするという記事(例えば日経)なのだが、これを読みながらフランス人との昔の会話を思い出した。

 その時は、5人ほどのフランス人とランチを食べていた。ランチの話題なので色々とランダムなのだが、そのうち、フランスで少しだけ話題になったTGVの裏技の話になった。フランスの新幹線などと言われるTGVだが、もちろん料金は安くない。ただ、早期割引だったり、混雑していない時間帯の割引だったりと、色々割引がある。その割引のひとつを使うと、かなり安く長距離を旅できるという話だった。何やら複雑で自分には理解できなかったが、どうやら乗り継ぎがポイントだった。乗り継ぎの条件を工夫すると、通常は適用されないはずの大幅割引が適用されるという話である。
 ひと通り話が終わって
「へえー、そんなのがあるんだね」
と頷いていると、環境や食生活の話に一家言ある一人が、こちらを向いてこう言ってきた。
「お前、話がわかったか?」
もちろんよく分からないこともあったが、話の内容自体は理解した。だからこう答えた。
「詳しい条件とかは地名もあって分からなかったが、話自体は理解した。」
ところが、そのフランス人の反応は少々予想外だった。
「俺には分からなかった。こんなことは理解できない。TGVの価格設定には理由があって、その設定ルールの抜け穴を使って安くするなんて、意味が分からない。」
 今だったら某米国大統領が嫌いなウォーク(目覚めたやつ)である。
 何かルールを決めたのには理由があって、皆がルールを守るからその理由が満たされる。もしその抜け穴を使ってしまえばルールの意味がない。そう考えるのが法の精神の意味の一部である。法の抜け穴だろうが、民間のルールの抜け穴であろうが違いはない。だから合法なドラッグが問題となるのだ。それがわかっているからこそ、そのフランス人は理解できないと言っていたのだ。

 相席ブロックの内容についてはここでは書かない。知らなければ(かつ必要であれば)Googleなどで調べていただきたい。この話はキャンセル料が安いことを利用した予約の話である。ただ、キャンセル料が安いことには理由がある。その安いキャンセル料を使うことを「裏技」と思うか「悪用」と思うかには個人差がある。個人差はあるが、法の精神的な面から見れば間違いなく「悪用」である。
 TGV料金の抜け穴を理解できないとしたフランス人は、とても情熱的に仕事をするなかなか良いやつだった。今はリタイアしてしまったが、若い頃はアメリカに住み、世界中を飛び回っていたらしい。そこで学んだことが、生真面目であることだ。今は一番嫌がられるタイプなのかもしれない。ただ、ルールに抜け穴があったら穴を埋めるか使わないことが秩序を保つことだと理解していた点では、今どき一番必要な人間でもあるだろう。

 フランス人は列に並ばない。でも、意味が理解できればもちろん並ぶ。見方によってはよほど日本人より生真面目だ。そうした生真面目さが近年失われてきたのだそうだ。
 世界中、状況は似ているのかもしれない。

 そうそう、タイトルと写真の説明を忘れた。写真はフランスの鉄道である。その跨線橋から下を覗き込むとフェンスがあって、DANGERと書いてあった。危険という意味である。スペルは英語と同じだが、名詞でダンジェ。その隣に書いてあるのはMORT、死である。「死の危険性」とでも訳すべきなのだろうが、ストレートに死ぬよと書いてあると思った方が良さそうだ。法と違ってこちらは直接的な危険だが、長期的に見れば似たようなものか。

Cross Cultural, Photo

(Floral) Friday Fragments #249


通勤列車のくすんだ床に貼り付くひしゃげた革靴
仕事に疲れた今日と明日の境をゴツゴツと突き上げる鉄の繋ぎ目
何でもないニュースに俯くシワだらけのワイシャツ
車内におちた金青色の秋の光の反射
思い出したやり残しの仕事
忘れてしまった14時の会話

壊された古屋のコンクリートのかけらに躓くスニーカー
いつまでも続く今日と一千年の未来をつなぐ秋草の匂い
さっきまで羽ばたいていた土鳩の輝く羽
空っぽの広場に浮かぶ黄金色の夕日
忘れてしまった友達のノート
思い出した明日の宿題

機械仕掛けの未来が轟々と音を立てて通り過ぎるのは、
星の名前を覚えることができた前世紀の思い込み。
ありもしない時間が転げ回るのをぼんやりと眺めるのは、
一体誰の、一体いつからの癖なのか。
青い満月に向かって櫂を漕ぐは、
夢見心地の昨日のことか、それとも終わりのことか。
少し欠けた明日の月から降り注ぐ星虫の夜。

 ようやく輝くような秋の色を感じることができて、乾燥した空気も悪くはないなと思っては見たものの、喉が痛い。やれやれ、風邪でも引いたか?なんて心配しながらひと月以上前に書いた詩などを。
 強制的に付き合わされる皆様、申し訳ない。自己満足だろうが、そういうBlogだったのでした。