Cross Cultural, Photo

Floral Friday #168


 4/22のMostly Monochrome Mondayの別ショット。どうというわけでもないのですが、このピンク色が華やかなので、何度かアップしています。

 GW中ということもあって同僚の多くが旅行中だったりしていて、仕事もあまり進みません。フランス人の古くからの知り合いに仕事のレターを送ったら、仕事も全て完了かなと。
 そのフランスも5/1のメーデーのあとは、5/8の戦勝記念日、5/9の昇天祭、5/10のみなし労働に関連する一斉休暇取得日とGWみたいなもので、暫く休業モードです。なんだかホッとするGWです。
 戦勝記念日とはもちろん第二次世界大戦のこと。日本語訳する時はヨーロッパ戦勝記念日とすることが多いようです。終戦は8月だと思っている日本人にはピンとこないところもありますが、ナチスドイツが降伏文書に署名した5/8がヨーロッパにとっての終戦日でもあり、完全に戦いが終わったのは5/11とされています。ノルマンジーの戦没者墓地は果てしなく続き、あちこちに戦火の跡が残るフランスにとっては重要な日でもあります。式典の場所にいれば日本人には少し居心地の悪い感覚にもなる戦勝記念日ですが、平和だからこそこんな話が書けるわけで、ありがたいなと実感します。
 ところで、日本の終戦記念日は、ヨーロッパ側から見れば対日戦勝記念日であり、降伏文書に署名した9/2となっているようです。

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #167


 すっかり日差しが強くなって、時々目を開けていられなくなるほど眩しいこともある季節になった。ひどい人混みでなければマスクも必要のない日常が戻って、マスクとサングラスで人相を隠した怪しい人間にならずに済むのはありがたい。
 2年ほど前、目が悪くなったのか強いサングラスでは周囲が見にくくなったためにメガネ屋さんに行ったのだが、店員さん曰く、コロナ禍でもサングラスがそこそこ売れたそうだ。それまでは外出も控えているような時期もあったから、サングラスなど要らないだろうと思ったら、マスクにサングラスは人相が悪くなるので、比較的明るい目の見えるサングラスに買い換える需要があったのだそうだ。
「だって、みなさん海とかにもあまり行かなかったでしょう?」
そう尋ねる私に、憐れむような目でこちらを見たその人は、配達などをするドライバーさんですよと教えてくれた。マスクに濃いサングラスで配達先に行くのが憚られるということだそうだ。コンビニとかでも強盗と間違われかねないと。

 そんな話を思い出せるようになったことにホッとする。

Bonne journée, Cross Cultural

2020年4月


 ふとしたことからiPhoneの古い写真を見ていて気がついたのだが、4年前の4月、つまり2020年の4月と言えば、コロナのパンデミックで世界中が右往左往していた時期だった。フランスは世界一厳しいと言われたロックダウンを宣言し、3月半ばから5月の半ばまで、自宅から1km以内かつ1時間以内の外出しか許されない厳しい外出禁止が施行されたのだった。例外は病院などに行く場合か、生活必需品を買いに出かける場合程度であって、必ず宣誓書と身分証明書を携帯することが義務付けられた。スーパーは開いてはいたが、人流は制限され、裏口を閉めるなどの管理措置が取られた。上の写真は、新たな指示があるまで閉鎖する旨が記載された張り紙である。

 今思えば、どうやって生活していたのだろうと不思議な感じがするのだが、それでもしっかりイースターのチョコレートは食べた記憶があるから、スーパーへの買い物程度はしっかりしていたのだろう。ロックダウンして暫くは買い物にも困ったわけだが、そのうち生活必需品の買い物は外出制限の例外という理解で良いらしいと言った情報が出てきて、大型スーパーでの買い物程度はできるようになったのは間違いない。

 そのイースターのチョコレートが生活必需品なのかどうかは色々意見があろうが、チョコレートは立派な食料品であり、イースターを祝うことはフランス人にとって重要な日常生活の一部ということらしい。今年のイースターは3/30だったが、イースターは移動する祝日だがら、3月末から4月末辺りをうろうろする。調べたら2020年は4/12だったようである。街中にはイースター飾りが溢れ、人通りのほとんどない路地を「生活必需品」を手にいれるために歩くのは、案外小さな楽しみとなった。

 無論、どんどん拡大解釈をする輩も現れるわけだが、羽目を外せば130ユーロの罰金が待っている。そこは真面目にロックダウンに従うしかないのだった。ロックダウン直前に会った友人が、次に会うときにはお爺さんみたいになってるねと笑っていたが、美容院は生活に必須ではないとしてクローズされていたから、案外冗談でもない。出社が許可された食品工場では集団感染が発生し、政府の措置もあながち極端とも言えなかった。テレワーク(フランス語ではテレとらばーゆ)しながら食料品を買うときのみ外出する生活は、実はその後も長く続いたのだった。

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #166


 シャガが咲き出したという事は、そろそろコットンシャツ一枚で外出できる季節になったという事でもあり、森を歩けば初夏の匂いが鼻の奥に気持ち良い日もまもなくという事でもある。先日の驟雨ではすっかり夏の雨の匂いがしてなんだか嬉しくなったが、降らないという天気予報を信じていたばかりに洗濯物もずぶ濡れで、それもまた春が夏に近づいてきたという証拠でもある。どういうわけか、そんな事でほっとした。

 以前から一緒に仕事をしてきたフランス人とのたわいもない会話で、あちらの天気を聞けば、もう冬の曇り空は終わったとのこと。頼みもしないのに、PCのカメラで外の様子を映して見せてくれた。3月末頃は、ジブレと言って短時間の通り雨が毎日のように続くのだが、それも4月から5月には次第に夏の安定した空に変わってくる。一番天候が安定しているのは7月までで、8月にもなれば秋の気配が漂うような場所だから、ジブレの季節が終わったというのは、短い夏がやってくるという合図として嬉しいのだ。

 何処も同じ。

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #165


 花曇りというよりは雨を予感する薄暗い朝に見る白いポピーの花弁は、絹のように透明感にあふれ、ドレープ感のあるそれに不用意に触れれば、時に風に浮かぶように散り落ちる。そんな様子を見ていたら、写真に収めたくなるというものである。

 先日のこと、あることがきっかけで目の検査をしたのだが、あの眼科で目を覗き込まれるのがなんとなく気恥ずかしい。医師だって他人の瞳を好き好んで覗き込んでいるわけでもないわけだが、瞳を覗き込むことに何かしら妙な先入観を持っているのだろう。どうにも変な気分である。
 しっかり検査するということで、瞳孔を開く薬を使ったから、病院からの帰り道は少々眩しくて歩きにくいこととなった。とは言っても雨が時々降っているような暗い日だったから、晴れた日に比べればずっと楽だったはずだ。外を歩いていても多少見にくい以外は特段の問題もない。上のようなポピーを眺める気にはならなかったが、街を歩く事にはさして違和感もなかった。
 ところが、大きな交差点を越えようとして急に問題があると気がついた。横断歩道の白線が眩しくて見ていられないのだ。あの白線は夜でも見えやすいようにしているわけで、なるほど反射率が高い。薄目にしてなんとか横断歩道を渡ったが、白線とアスファルトの間にパープルフリンジが見えた気がした。
 もちろんそんな筈はない。パープルフリンジは例えば高輝度ピクセルの電荷の漏れと色収差などによるものであって、どうやっても人間の目には発生しない。長年デジタル画像処理を専門とする輩と付き合ってきたから職業病みたいなものである。その昔、鮮やかなオレンジから深い紺色に変わる美しい夕焼けを見て「階調が出てないな」と言ったあたりですでにちょっとおかしい。気をつけなければ。
 とは書いてみたが、上のポピーの花弁の縁は、ほんのわずかに青いような。