Cross Cultural, Photo

Floral Friday #205


 まだ花開くには遠く、周囲にもほとんど春の気配すらないが、それでも蕾を見つけるとはなやいだ気分になるのは単なる願望なのか。
 この写真をFloral Fridayに使うつもりは全くなかったのだが、写真を撮った後でふとそうした願望もまたFloralなところがあるような気がして本日使うことにした。自分で決めてスタートしたシリーズなのだから、自分でルールは決めれば良い。なんだ、全然Floralじゃないじゃないかというご指摘はごもっともなので、画面に向かって言っていただいて一向に構わないが、その画面の向こうでそれを反省しているかどうかは怪しいので、その点はご理解いただきたい。
 少々強引ではあるが、この写真には、すっきりしない入れ子構造のようなものがある。よく見ると、蕾の上に綿毛状の種がくっついているのである。
 これがこのまま芽を出すとも思えないが、自然はたくましいと思う。北風の吹き抜ける冬の日に、この綿毛を飛ばした主はどこにいるのか。ひょっとすると、もう枯れてどこにもいないのか。そんなことを考える一方で、どうでも良いかと冷めた目で見ている自分も同じ場所を共有している。

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #204


 クロッカスは、地中海から黒海にかけての地域が原産で、これらの地域には野生種が自生していて、冬の間に一面の花畑が出現する場所もある。寒さに強く、むしろ寒さに当てないと開花しないので、日本でも地植えが可能である。花の時期は2月頃。
 なんてことを知識として記憶していたのだが、この写真の記録を見たら、撮影は1/5だった。確かに1/6のエピファニー(公現祭)を過ぎるとあちこちに出現するので、早すぎるという事もないのだろうが、この年は咲くのが早かったのかもしれない。
 撮影は北西フランスなので無論野生種などでもなく、場合によっては数年に1回植え替えたりしているのだと思うが、毎年咲いている割には植え替え作業をしている様子は見たことがないので、案外野生種に近い環境なのだろう。
 冬はこれからのひと月が本番ではあるが、確実に春に近づくという点では今が一番明るい気分になれる冬なのかもしれない。

Bonne journée, Cross Cultural

palets bretons


(English text at bottom)

 パレ・ブルトンというと、ガレットというフランスのバタービスケットのことを指す場合が多い。実際のところ、’palets bretons’ を検索すると、ほぼ間違いなくガレットの紹介記事(英語)がヒットする。明確な定義はないが、薄いバタービスケットがガレットであり、厚みのあるものがパレ・ブルトンである。
 このブルトンというのはフランス北西部にあるブルターニュ地方のことであり、このブルターニュ地方でガレットというと蕎麦粉の食事クレープを指す。デザートの小麦粉のクレープはクレープであり、ガレットを出すレストランをクレパリーと言う。ブルターニュには、いたるところにクレパリーがあり、ブルターニュ人にどこが美味しいかなんて聞いたら議論百出である。
 この段階ですでにかなりややこしいことになっているが、日本語でいくら「パレ」や’palets bretons’を検索しても出てこないのが、 ‘le jeu de palets breton’ (パレ・ブルトン・ゲーム、単にパレと言う)である。トップの写真はまさにその ‘le jeu de palets breton’ なのだが、これだけ見てもよく分からないに違いない。あえて言うなら、モルックやペタンクのようなスポーツと遊びの中間のゲームである。きっと日本だと競技人口は限りなく0に近い。今ならもれなく日本代表候補になれそうなんて思ったが、案外難しいのでやめておいた方が良さそうだ。(デカトロンの紹介記事 フランス語ですが写真がありますのでどうぞ)

Palet Breton often refers to galette, a French butter biscuit. In fact, if you search for ‘palets bretons’ on the web, you will almost certainly find some articles introducing galette. There is no clear definition, but a thin butter biscuit is a galette, and a thick one is a palet breton.

Breton here refers to Brittany, a region in northwestern France, and in Brittany, galette refers to a buckwheat crepe. A wheat flour crepe for dessert is called a crepe, and a restaurant that serves galettes is called ‘creperie’. There are a lot of creperies all over Brittany, and if you ask a Breton which one is the best, there will be endless arguments.

At this stage, things are already pretty confusing, but no matter how much I search for ‘palet’ or ‘palets bretons’ in Japanese, I can’t find anything: ‘le jeu de palets breton’. The top photo is exactly that, ‘le jeu de palets breton’, but even just looking at this, I’m sure it’s hard to understand. If I had to say, it’s a game that’s somewhere between a sport and a game, like Mölkky or Pétanque. I’m sure the number of players in Japan is close to zero. I thought that right now I could be a candidate for the Japanese national team without fail, but it’s surprisingly difficult, so I think it’s better to give up. (Decathlon article in French)

Cross Cultural, Photo

Floral Friday #203


 先日、久しぶりに北関東の生まれ故郷を訪ね、外にある水道のシンクでバケツを洗おうとしたら、分厚い氷が張っていることに気がついた。おや、寒いんだなあなんて呑気にあちこちの水が入っているところを見たら、どこもかしこも分厚い氷である。確かに最低気温は氷点下5度と言っていたなと思い出したが、氷のことはすっかり頭から抜け落ちていた。何しろ住んでいたのは高校生までで、その後は何度も訪ねてはいるが、せいぜい数日。区画整理や新しい道のために生まれ故郷で道に迷うようなところだから、もはや知らない街に近い。寒さで凍るなんて、いつの間にか経験ではなく知識としての記憶になっているのだった。
 よく考えてみれば、子供の頃は建物の北側に水を撒いてスケートリンクを作れるような場所だった。今でこそ商業施設がたくさんあって、天然のスケートリンクどころか畑すらほとんど見かけないが、北関東の冬は案外寒いのである。
 そんな北関東でも、春らしい風景はちらほら見つかる。その上、夕方に横浜に戻ってみればぐっと気温が高い。もうまもなく梅の季節。春が待ち遠しい。