
このオオスカシバは、スズメガ(雀蛾)の一種で蜂ではありません。スズメガは、テンガ(天蛾)とも書きますのでなかなかややこしいのですが、要は蝶もその仲間のひとつである蛾の一種であって、当然毒針も持たず、花の蜜を集めて飛び回っています。
ややこしいついでに書けば、オオスカシバは、大きな透かし翅(はね)だろうと思うのですが、透かし翅を持つスカシバの仲間ではありません。スカシバに似ているがそれより大きなスズメガであって、意外なことに蚕も案外近縁のようです。
オオスカシバはありふれた蛾ではありますが、最近はあまり見かけなくなったような気がします。幼虫はクチナシなどで育ち、かなりの大食漢であるとのこと。見かけたら駆除されてしまいますので、都会ではあまり見かけなくなったと言うことなのかもしれません。
こんな見た目ですし、蜜を吸う時はホバリングもしますから、蜂と間違われるのはある意味、仕方ないことではあります。もしかしたら、この見た目が一種の擬態として作用しているのかなと思います。巨大な蜂に見えれば、鳥に襲われる確率も低そうです。
でも、ふと思うわけです。蛾なのに、どうして羽が透明なんだろうと。透明な羽がありなら、透明な蝶々だっていそうです。
少し調べてみてわかりました。このオオスカシバ、サナギから蛾として出てきたばかりは、蝶や蛾の仲間らしく、鱗粉に覆われた羽を持っているらしいのです。普通の蛾と違って、ホバリングのために羽をかなり震わせます。そんな小刻みに震える羽根から、あっという間に鱗粉が剥がれるとのこと。自然界は、ほんとうによくできています。