Bonne journée, Photo

古橋

特に歴史的価値があるわけでもないが、13のアーチからなる3つの橋が18世紀からここにある。それは何度も整備されたであろう石造の古臭い橋であって、住民が川を越えて反対側に渡るためにそこに架けられた日常の一部でもある。

ところが橋のたもとに設置された説明を読んでいると、歴史的価値などどうでもよいと思えるほどに、時代という時計が逆回転をし始める。1900年頃のセピア色になった写真に写る風景は、今と何ら変わりがないのだ。もちろん、教会は最近立て直されたものだし、左側に見えるChez Edgarというレストランの建物も、100年前とは全然違うものに見える。にもかかわらず、そこにある佇まいは100年前と同じなのだ。100年前と同様に買い物カゴを抱えた人々が橋を行き交い、橋の下ではもうボート遊びをしてはいないが誰もが水辺を楽しんでいる。土曜日になれば教会の広場に朝市がたち、鳥の声が響き渡る初夏を子供達が駆け回る。

街を守るということは、そういうことなのだろうと教えられる。