
書いていることが花の話ばかりじゃないし、そろそろ飽きてきたということもあって、冬の間使うことがある Fragment というキーワードに変更、書き方も変えてみた。Friday Fragments、「金曜日のカケラ」という意味だけれど、Google Translate によれば、「金曜日の断片」。どちらの響きが良いかは、お任せします。
じゃあ、何か話題でもあるの?と聞かれれば特にない。日曜日に時々考えたことを書いているのだが、金曜日にも同じように書くので、日々つらつら考えたことはこちらにまとめようかなという程度なのでご容赦を。
さて、ここ数ヶ月の間に、家の前の通りにある杭に車がぶつかる事故が2回起きた。正確に書けば、少し蛇行する通りの数十メートルの範囲に、2か所の交差点がある。その2箇所で別々に起きた事故である。
ひとつは少しだけ折れ曲がったT字路で、くの字の曲がった部分に小道がつながっている。もうひとつはやはりくの字に折れ曲がった形なのだが、こちらはT字路ではなく、この曲がった部分に2方向の小道がつながっている。このくの字の折れ曲がりが曲者で、角度はほんの少しなのだが、直進すれば歩道に乗り上げるような微妙な曲がり方なのである。当然道路管理者はそこに鉄製の杭を何本か打っており、夜間のために反射板をつけている。
どうしてそんな形になっているかと言えば、歴史的事情である。つまり、その道は静かな碁盤の目のようになっている住宅街のための道路であり、坂道になっているからその碁盤の目に合わせるように地形に合わせて作られているのだ。以前はもちろんそれで問題なかったが、ある日その道は、その住宅街の横を抜けて急な坂道となる丘を越えて反対側に行けるようにつながったのだった。それ以来、徐々に交通量が増え、今ではカーナビを頼りに住宅街を抜ける人もいれば、大型トラックまでが抜け道として利用する。
そんな中で、何が起こったかはわからないが、2回の事故はその2箇所の別々の場所で、くの字の折れ曲がりをそのまま直進した車が杭を折り曲げるような単独事故だった。前を見ていなかったのか、寝ていたのか、速度の出し過ぎが、はたまたそもそも道が曲がっていることに気付かなかったのか。原因は分からないが、その後道路管理者が来てその折れ曲がった杭を切り取り、赤いコーンを置いて帰って行った。暫くすれば、業者が新しい杭を立て直すことになる。
普通に考えたらぶつかりようがない。そう思ったが、これが案外そうでもないらしい。日本人駐在員がフランスにきてやらかす事故のひとつが、ロータリーの直進なのだそうだ。ロータリーは、ランナバウトとも呼ばれるぐるぐると回る交差点である。その交差点では、ロータリーに入る前で一時停止し、右側通行なら左回りで、左側通行なら右回りで交差点に入る。日本と同じ左側通行で説明するなら、一時停止したら、右側からロータリーを回ってくる車を優先して、左折でロータリーに入る。その交差点を左折したかったら、最初の出口で左折すれば良い。右折したかったらぐるっと回って3番目の出口で左折する。至極単純な仕組みである。何しろ必ず一時停止で左折だけをすれば良い(フランスは右側通行だから右折)のだ。
こんな単純なロータリーで、酔っているわけでもなく、一時停止もせずに真っ直ぐロータリーの中心の花壇などになっている部分に突っ込むのだそうだ。何かの思い込みなのか、それとも寝ていたのか。ともかく理由は不明の事故がある。不思議な物である。