Bonne journée, Cross Cultural

vivre à l’hôtel

Yokohama

有名作家がホテル暮らしをしていたのはひと昔前どころか遥か昔の話だが、そのホテル暮らしが可能なのはそれが「一流」ホテル暮らしだからであって、一般庶民が実際にホテルで生活するとなるとそう楽ではない。生活するとなれば、食事の心配と同じレベルでゴミの心配をし、限られた空間で何を妥協するのかを考えなければならない。増してそれが異国の地であってその地のルールを知らないとなればなおさらである。

新しいフラットを見つけるまでの間とは言え、ホテルでしばらく過ごすうちにそうした葛藤のような中で自然と考えることも多くなる。何を食べようかと思うだけなら美味しそうなメニューが頭の中をグルグルと巡るが、小さなキッチンでりんごの皮をむけば、そろそろゴミもいっぱいになってきたし生ゴミもあるからフロントで新しいゴミ袋を多めにもらってきておこうなどと考えるものである。そこで「あぁ、またフランス語の発音が悪くて通じないかな」などとは心配しない。いや、心配しなくもないが、ちゃんと伝わるものである。どちらかといえば、分別ゴミの心配をしたりする。紙とかプラスチックとかちゃんと分けてはいるものの、これで捨てて良いのだろうかといった心配である。

昨年まで住んでいた横浜は、世界的に見てもゴミの分別が細かい自治体だそうである。もうすっかり癖がついて、ティッシュの箱が空になれば潰すついでに取り出し口のビニールをとるし、プラスチックとPETはしっかり分けて出す。当たり前といえばそれまでだが、フランスの多くの自治体では通常そこまで区別しない。リサイクルとそれ以外があるだけである。そう書くとリサイクルが進んでいないように聞こえるかも知れないが、ある程度リサイクル対象とそれ以外を分けて回収した後で、回収後に再度仕分けをするというやり方をとっている。もちろん、細かく分けて回収している場合もあるが、回収後の処理でしっかり分ける作戦だそうである。

聞いた話なのでどこまで正しいかわからない。ホテルの一室でリンゴを食べながらふと疑問に思っただけである。日本のリサイクル率はかなり低いというので、Webで数字も調べてみたが計算方法によって変わるのでここには記載しない。疑問に思ったから、フランス人に聞いてみたという単純な話でしかない。そのフランス人が正しいことを言っているかどうかもわからない。

ただひとつ言えるのは、なれないホテル暮らしで疑問が湧き、それを地元フランス人に聞けば環境保護に関する大論争が巻き起こるということである。やがてそれは日本の法制度への質問となり、ゴーン氏の扱いは正しいか否かという激しい議論へと繋がるのだった。(いや、リンゴの皮は生ゴミである事に間違いないのだが)