Bonne journée, Cross Cultural, Photo

Penguin?

201706-221

written only in Japanese

先日、Suica(JR東日本のICカード)を久しぶりにパスケースから取り出して、緑色のプラスチックのその隅に黒でペンギンが描かれていることを思い出した。きっと有名なデザイナーの手によるものに違いないが、実際のところ特にどうと言う訳でもない絵本にでもありそうなペンギンが、シルエットのようにカードの右下にプリントされているのである。最初の頃はSuicaを宣伝するためにもやたらとペンギンが登場していたように記憶しているが、最近はあまり意識することもなかったから、久しぶりに見つけたペンギンは、案外不思議な新鮮さを感じるものであった。
※後から調べたらペンギンはデザイナーによるものではなく、絵本のキャラクターだそうである。

これほど普及しているにもかかわらず何故いまもってペンギンが描かれているのか分からないが、Suicaであることをしめすスイカのような模様と合わせて分かりやすさを提供していることは間違いない。ただ、だからと言ってカードに描かれたペンギンがうれしいとか楽しいとかいった事はない。これは多分に個人的な好みによるものであって、もちろんこのペンギンが好きな人が多数いて普及に貢献したことは事実である。このペンギンはなかなか愛らしいとも思わないでもない。丸顔はキャラクターデザインの鉄則でもある。それにもかかわらず、個人的にはSuicaにはできればペンギンを描いて欲しくない。もう少し普通の無機質なカードにしてほしいのである。もちろん、普段見ることがないのだから困る訳でもない。単に事務的に扱いたいモノに特に好みでもないキャラクターが描かれていることに違和感があるだけである。セブンイレブンのキリンも診察券の不明な動物も、同じようにどうしても好きになれない。

そうやって気になりだすと、ありとあらゆる場所に妙なキャラクターがデザインされていることに気付く。それは企業やサービスのロゴデザインのようなものでもあれば、パンフレットの隅に書かれたキャッチコピーの話者であったりもする。自動販売機で単純化された線画が挨拶をしていることもあれば、バーコードの上を歩いていたりもする。国民性などと十把一絡げにまとめてみても良いが、それは些か乱暴というものだろう。

とりあえず困る訳でもない。気にすることもない。だったらどうでもいいだろうと思わないでもない。少しだけペンギンが減ってもいいかなと思うだけである。カードはもう少し無機質にしてほしいというだけである。

シンプルな方が良いことだってある。

 

4 thoughts on “Penguin?”

  1. あちこちにキャラクターが描かれていることって、日本の特徴のひとつかも。それらが子供向けというわけでもないから不思議です。古い話ですが、一昔前はプルトニュウムさえ「プルト君」という正義の味方のキャラクターでした。とても真剣に考えるべきものなのに、それをオブラートに包んでしまっていているような気がします。

    1. あえて古くさい言い方をすれば、ありとあらゆる場所にマンガがあるように思います。本来親しみを持つべきでないものにまでキャラクターがデザインされたりすると、さすがに困りますね。

  2. Suicaペンギンは、さかざきちはるさんのデザインですね。絵本の方が後だったような?
    ダイハツのメガネの鹿もデザインされてますね。
    以前、マーク無しSuicaを持っていましたが、磁気エラーで交換した時にSuicaペンギン柄に変わった記憶があります。最近はもうマーク無しはないのでしょうか?
    キャラクターが氾濫している昨今ですが、やはり好みは人それぞれ。
    シンプルなタイプを選択出来る自由が、もっとあると良いですね。

    1. そうでしたか。さかざきちはるさんですね。ありがとうございます。少なくともこれほどキャラクターにあふれているのは日本固有なのではないかと思います。普通の企業ロゴの入ったカード希望です。ちなみにApple PayのSuicaもペンギン付きでした。

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