
水曜日の写真(Wordless Wednesday)はこの花畑の隅の部分を撮ったもので、ある意味同じ場所の同じ被写体の写真なのだが、雰囲気が少し違って見えないこともない。写真の楽しみは、単に光を記録しているだけで筆の運びといった技術や工夫がないにも関わらず、切り取り方や光の捉え方で異なる結果が得られることかなと思う。だから案外奥が深いのに、素人でも手が出せるアートになり得るのだろう。
写真の場所は南房総の花摘み園で、観光花摘みの裏には出荷用の畑もあったりする。最近は夏場以外は観光客も少なくなっているらしいが、温暖な気候を利用しての花の栽培は長年続く房総の産業のひとつである。その南房総を、横浜からそう遠くない場所にある美しい場所として、冬場にも時々訪ねてきた。聞けば、昨年の夏の猛暑で苗がよく育たず、今年は出来が良くないとのこと。確かに昨年に比べるとだいぶ花も少ない。観光花摘みは高齢化も進んで廃業する畑も多く、気候変動がそれに追い打ちをかけているのかもしれない。
ジャックマイヨールが愛した館山、青木繁が愛した布良、海があり山があり、冬でも花が咲く温暖な房総。のんびりするには良い場所である。