Cross Cultural, Photo

Floral Friday #198

 

 コンクリートの壁を横切る微かな光に、
 線香花火のようなハゼランの実が
 チチと音を立てていた。
 その真紅のスパークは夜よりも昼下がりに輝き、
 そのエメラルド色の発射筒は控えめに揺れ動く。
 ようやく過ぎ去った溶鉱炉のような秋が、
 街に残した翌年の宿題。

 さて、どうしたものか。やりたいことはいくらでもあるというのに、そのやりたい事が多ければ多いほど、時の進みは加速する。先日まで待ち遠しかった週末が、今は月曜日を迎えた途端にやってくるようだ。その暴力的なまでに加速する時を味方につける術を未だ知らない。