Bonne journée, Cross Cultural

2020年4月


 ふとしたことからiPhoneの古い写真を見ていて気がついたのだが、4年前の4月、つまり2020年の4月と言えば、コロナのパンデミックで世界中が右往左往していた時期だった。フランスは世界一厳しいと言われたロックダウンを宣言し、3月半ばから5月の半ばまで、自宅から1km以内かつ1時間以内の外出しか許されない厳しい外出禁止が施行されたのだった。例外は病院などに行く場合か、生活必需品を買いに出かける場合程度であって、必ず宣誓書と身分証明書を携帯することが義務付けられた。スーパーは開いてはいたが、人流は制限され、裏口を閉めるなどの管理措置が取られた。上の写真は、新たな指示があるまで閉鎖する旨が記載された張り紙である。

 今思えば、どうやって生活していたのだろうと不思議な感じがするのだが、それでもしっかりイースターのチョコレートは食べた記憶があるから、スーパーへの買い物程度はしっかりしていたのだろう。ロックダウンして暫くは買い物にも困ったわけだが、そのうち生活必需品の買い物は外出制限の例外という理解で良いらしいと言った情報が出てきて、大型スーパーでの買い物程度はできるようになったのは間違いない。

 そのイースターのチョコレートが生活必需品なのかどうかは色々意見があろうが、チョコレートは立派な食料品であり、イースターを祝うことはフランス人にとって重要な日常生活の一部ということらしい。今年のイースターは3/30だったが、イースターは移動する祝日だがら、3月末から4月末辺りをうろうろする。調べたら2020年は4/12だったようである。街中にはイースター飾りが溢れ、人通りのほとんどない路地を「生活必需品」を手にいれるために歩くのは、案外小さな楽しみとなった。

 無論、どんどん拡大解釈をする輩も現れるわけだが、羽目を外せば130ユーロの罰金が待っている。そこは真面目にロックダウンに従うしかないのだった。ロックダウン直前に会った友人が、次に会うときにはお爺さんみたいになってるねと笑っていたが、美容院は生活に必須ではないとしてクローズされていたから、案外冗談でもない。出社が許可された食品工場では集団感染が発生し、政府の措置もあながち極端とも言えなかった。テレワーク(フランス語ではテレとらばーゆ)しながら食料品を買うときのみ外出する生活は、実はその後も長く続いたのだった。

2 thoughts on “2020年4月”

  1. ほんと、あのコロナの3年間はなんだったのかなと思います。いろんなもの、人々に影響を与えましたよね。今更言っても仕方ないけれど、あればなければ自分は今何をしていたんだろう?と思ったりもします。2021年の秋には少しずつ規制が緩んできたので、車で短い旅行に行ったりしました。普段なら外国から来る人々で賑わう街も、ゆったりと旅が出来たのは嬉しいことでした。
    イースターのチョコレートは、長い冬を乗り越えた春を表現していると言われれば、それまでだけれど、イースターが終わった途端に半額で売られているのをみると、何だかなーと思ってしまいます。クリスマスのお菓子もそうだけれど 🙂  素敵な週末を!

    1. ほんとに「あれさえ無ければ」と思う事がたくさんあります。考えないようにしてはいますが、きっと今は違っていただろうなんて時々思って悔しいような妙な気分にもなるというのが本当のところ。
      イースターのチョコレートも、真偽の程はわかりませんが、1年の半分以上を売り上げる時期にロックダウンしたから食料品扱いにしたなんて言われてました。安かったので、喜んで頂きましたが。
      Sachieさんも良い週末をお過ごしください。

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