Bonne journée, Cross Cultural

Twin Lock

201807-211

マイレージの余りで旅行用ロックを頼んでおいた事をすっかり忘れ、思いがけず香港から届いた小さな荷物に、少しばかり旅行気分を味わう事となった。クッション材とともに入ったそれは、海外発送でお馴染みの黄色の封筒に入れられ、無造作に台形に切りとられたこれまた黄色いインヴォイスとともに送られてきたのだった。
その名をツインロックというらしい。小さなワイヤーロックが二つついているから「対をなす鍵」ということだろうが、それが本当に役に立つのかどうかは使って見なければわからないだろう。そして、しばらく使う予定はない。かつて、TGVを時々利用していた頃には、デッキの荷物置き場にスーツケースを放置するのにこんなものが欲しいと思ったものだが、最近は使うシーンがあまり思いつかない。基本は、片方のループを荷物のハンドルにつなぎ、もう一方をベンチなどにつなぐという代物である。ワイヤーの長さが短いから、ちょうど高さが合わないと利用はできないだろう。列車の荷物置き場ならなんとか使えそうだが、実際にやってみないとわからないというのが正直なところである。
ところで、こんな華奢なワイヤーで大丈夫なのかという疑問もあるだろうが、経験上問題ない。要は、カジュアルな窃盗を防ぐためだけのものである。カジュアルな窃盗というのも間抜けでおかしな表現だが、人間とは不思議な生き物で、盗めそうだから盗むのであって、盗むのがよほど大変なものを盗むのは、よほどのプロである。カジュアルに盗めなければ、短時間なら安全である。ああ、鍵がかかってないから持っていってしまえというのを避けられれば良い。隠し持ったニッパーでワイヤーを切るような輩はどだい避けられない。
なんだか窃盗の話で旅行気分を味わっているようだが、このツインロックから外国を感じるのはそれだけではない。そもそもワイヤーループが二つついているだけで、3通りの使い方があると強引に言い放つあたりも、ただ者ではない。つまり、二つのジッパーをロックしたり、ジッパーをハンドルに固定したりと、なかなか便利である。ジッパーを固定するのに使ったら、荷物を括り付けられないだろうと思うのだが、同時に使うなら二つ買えということだろう。なかなかである。
ハイライトは、番号の設定である。ロック用の番号はもちろん自由に設定できる。設定して試して見て焦ったのは、実はこの鍵が裏からも同じように見えるということである。つまり、123とセットすると、裏からは678と見えるのである。鍵が開かないと思ったら裏側だったというオチは、あまり良い気はしない。
まぁ、文句があるわけではない。余ったマイレージでちょっと楽しませてもらったということである。

さて、最後の写真は飛鳥II。先週世界一周から帰ってきたばかりだが、その姿ではない。残念ながら昨年の写真である。

201807-212