JAL広告がマルセル・プルーストの言葉を引用している。
本当の旅の発見は
新しい景色を見ることはでなく、
新しい視点を持つことにある。
わくわくするではないか。新たな発見、新しい自分との出会い。旅で出会ったちょっとした驚き、困った出来事、夢のような風景。そうしたこと全てが、単なる景色ではなく、新しい視点となって自分のどこかに加えられていく。そうやって新たに加えられた眼が記憶に残るのだろう。
でも、少し真面目だなとも思う。旅は日常から離れ、普段何かから隠している自分に戻ってゆっくりとすることだって良い。普段の生活から離れるために、新しい景色を見に行ったって何も不都合はない。新しい視点は自然に得られるに違いない。プルーストの意図することが何かは知らないが、きっとそんな自然に得た新たな視点が旅の発見なのだ。肩肘張って新しい視点を得る旅に出たら、ひょっとするとひどい肩凝りになって帰ってくることにもなりそうだ。
JALの広告を見ながら、なんとなく生真面目な印象を抱いたのは、そんな真面目な旅をつい考えてしまう自分の固定観念が原因なのかもしれない。ゆっくりとする休暇でも忙しなく見て回る休暇でも良い。意識せずとも、きっと新しい視点が得られるものだ。それが旅であり、旅で発見するものに違いない。
今日も良い一日を。
