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羽田「国際」空港

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The text was written only in Japanese.

羽田空港と言えば東京湾にあって首都と地方を結ぶ重要な空港だが、元々は国際空港である。その利便性と成田の混雑からか、再び羽田が国際線の空港として利用されつつある。その羽田の国際線ターミナルが完成してから初めて行ってみた。何かと話題になってはいたが、これまで縁がなく特段訪ねる理由もないので遠い空港のような感覚で見ていたのだ。

実は国際線ターミナルはこれまでのBigbirdとはまったく異なるターミナルである。首都高を走りながら見上げるあれではない。駐車場も全く別になっている。未だ完全には完成していないということなので、これから何らかの形で接続されるのかもしれないが、今のところ、国際線ターミナルと従来のBigbirdはバスやモノレールなどでつながっている。様々な連絡手段があるが、あくまでも別なターミナルということか。成田空港も第1ターミナルと第2ターミナルはかなり離れているというところは同じだが。もちろん、羽田の最大のメリットは都心に直結というところだろう。だが、多様な国内線に乗り継げるならそれもまた魅力であり、接続の良さがこれから増すのだろうと想像する。

とはいえ、羽田空港はすでに常時飛行機のラッシュアワーとなっている。夜に遠くから見ると、まるで高速道路のヘッドライトを見ているかのようにライトが連なっている。そのような空港にさらに国際線を増便するのはかなり難しいことだろう。そのためか、昼間の国際線はほとんどが近距離便で、ヨーロッパ線は深夜と早朝に集中する。8時間ほどの時差の距離を12時間ほどかけて飛ぶ(ややこしい!)から深夜も早朝もあまり関係ないといえばその通り。ある面、合理的ではある。

ところがあくまでも「ある面」であって、これには落とし穴がある。知り合いのフランス人が愚痴をこぼしながら使っているのにはわけがあるのだ。

20130914-0018時間ほどの時差の距離を12時間ほどかけて飛ぶという事は、見かけの飛行時間は4時間である。深夜、24時過ぎに羽田を発った飛行機は夜もまだ明けきれない静まり返ったパリに着陸する。ターンテーブルから荷物を拾って薄汚れたタクシー乗り場につく頃、ようやく早朝の明るさが感じられるくらいである。タクシーを拾ってパリに向かっても渋滞にあうのは目に見えている。ところが、シャルルドゴール空港でコーヒーでも飲みながら時間をつぶそうにも店は空いていない。考えようによっては朝からたっぷり一日使える便だが、その前提は機上でたっぷりと眠るか体力に自信があるかのどちらかだろう。

実際のところ、24時過ぎの出発ということは、一日の疲れが出て良く眠れる時間でもある。チェックインして荷物を預けてしまえば話題の江戸小路で日本風情を楽しむという手もあるし、出国してショップ巡りでもしながら程よい疲れを感じるという手も考えられる。あぁ疲れたなという頃にフライトである。だが、またしても落とし穴が待っている。時間帯が遅いため空いているのは一部のレストラン程度なのだ。もう寝るだけと言うのに食事でもない。事実、離陸後の食事は食べない人も少なからずいるし、ビジネスクラス以上なら胃もたれしない程度の食事を選んだり、食べたくなってからオーダーするということも出来る。航空会社もわかっていて、そうした差別化サービスを提供しているわけだ。となると、あまり楽しみもない。深夜の出発も考えようによってはメリットも大きい。なにしろ、出発日の日中に仕事があろうが遊びに行こうが自由である。ただし、体力に自信があればだが。

ならば、どうして羽田便を選ぶのか。理由はいろいろあろうが、そのひとつ極めてシンプルだ。先のフランス人曰く、成田より都心にずっと近いからである。重いスーツケースを抱えて予約した成田エクスプレスを待ち、ようやく乗ってさらに1時間半。運が良くても着陸してからホテルにたどり着くまで3時間はかかる。羽田なら都心までタクシーでもたいした額ではない。あとは、朝パリを出て朝羽田に着く理不尽なスケジュールにどこまで耐えられるかだけだ。夜はもはや存在しないのだから。