Bonne journée

The Gift

Life is made up of sobs, sniffles, and smiles, with sniffles predominating.
人生を作り出すものは、嗚咽と啜り泣きと笑いであって、支配的なのは啜り泣きである。

The Gift of the Magi by O. Henry

 この時期に引用するには少々悲観的過ぎるようにも感じないではないが、なかなか上手いことを言うと思う。「賢者の贈り物」の一節である。あまりに有名なので、さまざまに引用され、あらゆる場所で見つかるフレーズでもある。
 ただ、ふと思うのである。短編小説の名手と言われるO・ヘンリー作品を何かひとつ挙げてストーリーを話せと言われても、案外ディテールが思い浮かばないなと。そもそも、「賢者の贈り物」の夫婦は、いつ何を贈りあったのだったろう。いや、ほんとうに夫婦だったろうか?もしかしたら貧しい恋人どうしだったかもしれない。そんな事も忘れたのかと言われそうだが、記憶とはそんなものだと思いたい。もし記憶が曖昧なら一度読み返してみても良い。Webにもたくさん書いてあるだろう。
 ひとつだけここに書いておくとすれば、それはこの物語が、キリストの誕生を祝って贈り物を捧げた東方の賢者をその背景にしていると言う事だろうか。従って、「賢者の贈り物」はクリスマスの話である。クリスマスには何かを贈り合うという文化の原型のひとつはそんなところにある。
 引用するにあたって、前後の文章を読み返してみたが、正直、上の訳が正しいという自信はない。O・ヘンリーは19世紀のアメリカ作家であって、現代的な時制の明確な作家ではない可能性もある。この引用した文書が、登場人物の思いなのか、作家が読者に語りかけた思いなのか、あるいはまったく異る視点なのか、良く分からなかったのである。どちらにせよ、読者に向けた教訓めいたメッセージなのだろうと訳してみた。
 とは言え、登場人物が気付いた人生観なのだとすれば、もう少し身近な言葉のほうが合っているかもしれない。

生きるってことは、咽び泣いて、啜り泣いて、そして笑みが戻るということ。たいてい啜り泣いてばかりだけれど。

 時々引用する、やはり少しだけ厳しいが好きな言葉がある。アメリカの劇作家、ウィラ・キャザーが言う。

There are only two or three human stories, and they go on repeating themselves as fiercely as if they had never happened before.
人の物語は、たったふたつかみっつしかない。そしてそれはいつも繰り返されるのだ。今まで決して起きた事のないほどの激しさで。

O Pioneers! by Willa Cather

 そうやって繰り返される厳しさは、やがて繰り返される希望ともなるのだろう。そう考えることができるのも人の強みに違いない。
 クリスマス飾りもようやく片付いてきて、春の気配が少しずつ出てきた。夕方暗くなる時間も、目に見えて遅くなった。春はまだ遠いが、まるで見えないほど遠くもない。

4 thoughts on “The Gift”

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