Bonne journée

大嫌いな雨


ベトつく空気から逃れる場所もない
くすんだ裏通りで俯く
目的地などない通勤路。
行かなければならない場所が
ただそこにあるだけの雲空。
重たいバックパックと
背中に張り付いたシャツと
腕に赤い跡を残す傘。

すれ違う人に顔のない
記号化された街で、
壁の小さな汚れに人の呼吸を感じ、
どこかうれしくなる。
降り出した霧雨も、
息を殺した空気の流れも、
何もかもが停滞する。
大嫌いな雨は美しい。