
ローマ帝国がビザンチン帝国へと姿を変えていく過程で、あのイタリアの地からトルコへと首都が分裂していったのは何故だろうと考えてしまうのは、やはり日本にいると地中海沿岸の土地勘があまりないということに尽きるのかもしれない。ローマ帝国以前の文明といえば、エジプトやギリシャが思い浮かぶように、アドリア海からイオニア海、エーゲ海を超えて地中海の東のどん詰まりの中東に至る地域はもう3000年以上も栄えてきた。その歴史から見ればローマは西の隅にあって、地理的に見てもイスタンブールへの遷都は自然なことであるように見える。
… という、七面倒臭い話は置いておいて、冒頭の写真である。この写真はアルバニアで撮影したものである。写っている川は、イオニア海と湖のような内海とをつないでいる。
まあ、たいていの人は、そもそもアルバニアってどこ?である。ローマ好きということもあって自分はたまたま知っていたが、正確に場所を言えと言われたら答えられない程度であった。そのうえ時々アルメニアと間違うこともあって、あやふやな知識でしかなかったことは告白しておかなければならない。おそらくは、普通の人には知っている方が珍しいというレベルの国に違いない。国旗は意外に有名である。赤地に黒の双頭の鷲が描かれ、仮面ライダーのショッカーか?なんて話題になることがある。アルバニアの正式国名は、レプブリカ・エ・シュチパリサ(覚えられないのでWikiで調べた)で、アルバニアという言葉がないのもややこしいが、シュチパリサは鷲という意味だそうだ。
オスマントルコの支配下であったり、無政府状態になったり、ナチスドイツに占領されたりと波乱の歴史であるが、第二次世界大戦でナチスから解放したのがソビエト連邦だったこともあり、戦後は共産主義国となった。民主化は1992年、NATO加盟は2009年だが、まだEUには加盟できていない。イタリアとの貿易などで近い関係を築き、若者はEUで学んでいるものもいるが、未だEU各国どころか世界的に見ても貧しい国だとアルバニアの方が話していた。訪ねてみると非常に美しい国である。
この写真の場所には橋がない。向こう側に渡るには、はしけを使う。車も乗せられる立派なはしけである。ワイヤーで引かれるはしけは、さほど交通量がないからなのか見ている間は動いていなかったが、そうしたあたりもまだ発展途上の経済を感じさせる。写真の左側には立派な国立公園があり、ローマ皇帝の別荘の遺構が保全されている。立派な円形劇場や入浴施設などおおよそローマをイメージする全てが揃っている巨大な別荘である。聞けば、観光業については、徐々に主要産業となりつつあるようである。
Tanuさんはアルバニアにも行かれたことがあるのですね!面白い!それに、Tanuさんはローマ好きで歴史にもお詳しい。本や音楽にも、、、だから、常に色んなことが頭の中をぐるぐると回っていてアイデアも溢れてくるのでしょうね♪ と、想像しています!
知り合いが、今月の終わりから3週間半かけてバルカン半島をトレッキングします。それこそ、モンテネグロ、アルバニア、コソボのあたりです。一体どんな風土なのでしょう。想像もつかない場所を歩いて回ることほどワクワクすることはないですよね!
アルバニアやモンテネグロなどのバルカン半島の国々は、それこそギリシャ文明からローマ時代に遡る歴史ある美しいところです。光きらめく水と緑、時の流れが止まった史跡。想像以上です。トレキングはきっと素晴らしいはずです。
でも、ほんの数十年前までは銃弾が飛び交っていた場所もあります。美しい城壁にも弾痕が残っていたりします。国はまだまだ貧しく、建設中の柱がむき出しの家がたくさんあるのは、税金を払わないための抵抗だそうです(未完成の家には課税されない)。観光客は、お金を落としてくれる金持ちなのです。
知人はレンタカーでバルカン半島に入ったら、カーナビが真っ白になって困ったことがあると言っていました。紙の地図に切り替えて、予約しておいたホテルの場所を街で聞いたら全然違う場所だったとか。
だから世界は面白いなんて言っていられません。まだあまり知られていない美しいバルカン半島と生活の現実。その両方を感じるのが旅なのでしょうね。