Bonne journée

Bonne journée (11)

20130216-004

寒いと熱いコーヒーが欲しくなる。夏でもホットコーヒーを飲みたいほうなので冬に限ったことではないが、寒い中で暖かくして飲むコーヒーは格別である。淹れたてのコーヒーの香りの甘さと苦味が一層強く感じる瞬間が心地よい。

グレイラインのバスに乗っていると、バスストップにあるコーヒーサービスで水筒サイズのカップにたっぷり補給するちゃっかり者を見かけたりするが、あれはコーヒーが妙に薄いからできるのだろう。フランスだと、特に注文をつけなければ濃くて香りの強いコーヒーが出てくる。もちろん量は少なめだ。だが、皆が濃いめのコーヒーが好きなのかと思いきや、そうでもないらしい。薄くしてくれと頼んだり、カフェインを抜いたデカフェを頼んだりする人も多い。大抵エスプレッソが置いてあるあたりは強いコーヒーが好きな人が多いということだろうが、もはやステレオタイプな見方なのだろう。シアトル系コーヒー店がほとんどないのはおそらく別な理由だろうが、従来型の見方は当てはまらないと考えた方が良さそうだ。ちなみに、コーヒーを最も飲む国はフィンランドだそうである。これまた、日本人が抱くイメージとは少し違うかもしれない。

飲み方も色々である。初めてパリを訪ねた時、北駅のスタンドでコーヒーを注文し砂糖もミルクもいらないと言ったら、普通は入れて飲むのだと説明されたことがある。そんなこともないと今でも思っているが、何も入れずに飲む人が日本に多いのはその通りのようだ。
しかしである。美味しいコーヒーは、酸味も甘みもあって香り高く、フルーツのような味わいが苦味の背後にたっぷりあるのだ。砂糖やミルクが必要とは限らない。それそのものの味を冬だろうが夏だろうが楽しみたいのである。

20130216-002日本はと言えば、相変わらずコーヒー好きが多いのはおそらく間違いない。ただ、かつてたくさんあったコーヒーの味そのものを楽しませてくれる「喫茶店」は、少なくなったようだ。あるいは、自分の足が遠退いただけかなのかもしれない。フラメンコの演奏を聞きながら、バニラのような甘さが広がるブラジルサントスを飲ませてくれたあのスペインはまだあるのか?神保町のあの店は?
しかして3台目のエスプレッソメーカーである。最初の2つはコンロにかけるタイプでなかなか上手く淹れられなかった。今度はデロンギ(DeLonghi)の電気式なので、慣れれば比較的それらしいエスプレッソが出来上がる。ドリップよりは手間がかかることには違いないが、時々はエスプレッソが自宅で飲めるのが嬉しい。問題は、エスプレッソが美味しいからと言って、たくさんは飲めないことだろうか。少量しか抽出できないエスプレッソをたくさん飲むのもどうかと思うが、よくダブルを注文するくらいだから、少し多めに欲しいのだ。
寒い中、熱いエスプレッソを飲みたくて作っておきながら、少ないので飲むのが勿体無いとゆっくり飲むとせっかくのエスプレッソが冷えてしまう。少量だと冷えやすいのは自然の理である。悩ましい。