Bonne journée, Cross Cultural

Sound of rain drops

201811-201

誰もがもう終わりだと言い出せないまま降り続く雨と
誰かが決心しないまますれ違い続けるいつもの朝とが
誰もが思い出そうとしない街の時計を動かし続ける

束の間の晴れ間に昨日まであった日陰を探す自分と
青くなった膝に張り付く湿った昨日を思い出す僕とが
前を歩く誰でもない誰かを追う私を動かし続ける

あなたが次に向かおうと歩き出した水溜りの歩道と
あなたが気にも留めない青色の驟雨を足急ぐ赤い傘とが
あなたに誰かが譲る道の向こうで私を待つ今日を動かし続ける

Bonne journée, Photo

虚ろな目

201807-111

肩から前に抱え込んだ通勤用のナイロンバッグが、
ウェブを虚ろに眺めながら空白の時間を埋めようと忙しく指を動かす右隣の腕をかすめ、
聞こえもしない小さな抗議を思い出したように身を縮めては、
ありもしないスマートフォンの向こう側に知らんぷりして逃げ帰る。
誰もが匿名である事を主張するIDは、
通りすぎるだけのダミー人形。
通勤電車の軋む金属音に顔をあげれば、
ガラスの向こう側に虚ろな目。
急ぎ目をそらす夜。

あまり支持されなかった前回を微修正してみたものの、むしろ中途半端に自分のスタイルになってしまったようで、少々歯がゆい。やっぱり文章は書き続けないと質が低下する。あまり得意でない写真でごまかす次第。その写真は本題とは無関係である。多分、恐らくは。

Bonne journée, Photo

夏汗

201806-411

どこにでもある角ばった自動販売機に
冷えることを諦めたような省エネ冷房と
ベタつく背中で対峙しながら、
曖昧に冷やされたボトルを探して
狭い通路に体を捻曲げ
お茶と炭酸ばかりの無言の主張にため息をつく。

とかく窮屈なのは、
伸びするのもままならない程に詰め込まれた空間のせいか、
それとも喉の渇きを癒すことも忘れたプラスチックのサンプルのせいか。
仕事の染み込んだ机を離れてゆっくりと飲み物を選ぶ時間は、遠い贅沢。
その赤い自動販売機の隙間で体を斜めにしながら
コインを入れようと手を伸ばし、
「アホはここに」と不愉快なメッセージに動きを止める。
小さな悪態をつき、
まもなく折れ曲がって見えなくなった「ス」の文字を見つけ、
「スマホはここに」だったと
再び冷たいLEDを見上げる。

いつもと違うスタイルで書こうとすれば、どうしてもぎこちなくなる。文章を書くことにも他と同じように癖があって、そのスタイルを変えようとしても簡単なことではない。ましてその文体に隠れる思想まで変えようとすれば、沈黙するか、投げ出すか、あるいはお茶を濁すか、そんなところが関の山である。パスティーシュの名手とはよほどの力量と見た。ここではそんな大それたことは考えていない。ただ、書き始めた時に、ちょっといつもと違うニュアンスを感じ、少しばかり変えたくなったのだ。