ガーデンシティという言い方がある。ハワードが提唱した計画都市の概念を指す言葉であり、田園調布はまさにそんな街なのだが、それとは別に、公園のような緑の街を(日本語では)広くそう呼んでいる。カナダのビクトリアはその代表例でありカナダ旅行のパンフレットを見れば必ず写真が載っている。海を挟んで反対側のバンクーバーもまた公園のような街であり、花にあふれた都会の風景をゆっくりと歩けば、いつのまにか海と緑の公園に入り込む。特にスタンレーパークは旅行者にとっても人気の場所となっている。
横浜はそのバンクーバーの姉妹都市である。昔からの観光地でもある山下公園や港の見える丘公園はもちろん、関内周辺もヨーロッパのような石の街並みと大きな木が続き、晴れた日の散歩はことのほか気持ちが良い。このあたりのエリアは4月が特にお気に入りである。桜並木は桜木町に任せ、どちらかといえば新緑とチューリップを楽しむのが良い。プロ野球の開幕シーズンという事もあって、試合のある日はブルーに染まるが、普段は近所の人の犬の散歩コースだったりする。
今、横浜では昨年に続き「ガーデンネックレス」というイベント中である。これまでのチューリップ祭りと何が違うのかという疑問はさておき、いつも以上に花にあふれた横浜公園と日本大通りが、どこまでも横浜らしい風景を演出している。さらに、Greater Yokohamaとでも呼べそうな郊外にあるズーラシアの隣にも、里山ガーデンなる会場に巨大な花壇が用意されている。晴れた日にゆっくりと散歩する場所には事欠かない。これからバラの季節まで、どこに行くかではなく、どうやって時間を作るかが悩みどころである。